2018年2月2日金曜日

水資源利用プロジェクトーJICAカンボジア事務所


【高まる水の需要】東南アジア最大の湖・トンレサップや、大河メコンの流れを有するカンボジアに、水不足のイメージはありません。しかし、豊かな水資源も適切に利用する仕組みがなければ、「足りない」状況が起きてしまいます。

たとえば農業。カンボジアは農業国であるにもかかわらず、灌漑(かんがい)が普及している農地は2~3割程度といわれています。水資源を制御するダムや堰(せき)などの施設が足りないこと、また、施設があっても維持管理や利用の仕方が十分に理解されていないことなどが原因とされます。さらに、近年の経済成長に伴い、工業用水や発電用水の需要が各地で高まっています。

【流域管理委員会の立ち上げ】2014年に始まったJICAの技術協力「流域水資源利用プロジェクト」では、農業以外にも、工業や漁業、発電、飲料水や生活用水など、水を利用するすべての関係者が参加する「流域管理委員会」の立ち上げと運営に取り組んでいます。

カンボジア側でこの取り組みの中心になるのは水資源気象省。ここにJICAは長期専門家4人を派遣しています。チーフ・アドバイザーの増尾学さんによると、プロジェクトの対象はトンレサップ湖西部の3州(バッタンバン、プルサット、コンポンチュナン)と、プノンペン南西部の3州(コンポンスプー、 タケオ、カンダール)です。

対象地域はプルサット川、ボリボ川など6つの河川の流域で、国内の主要なコメの産地でもあり、水の需要が高い地域です。また、経済成長や人口増で農業以外の水利用の需要も急速に増大する可能性があり、この地域の水利用を公平に、効率的かつ持続的に管理することは、流域に住む人々のみならず、国全体の経済活動にも影響するものといえます。

プロジェクトでは2016年7月に初めて、プルサット州に流域管理委員会を設立しました。プルサット川の流域には以前から農民水利組合はありましたが、これらが横のつなが りを持つことや、農業以外の水利用者と話し 合う仕組みはありませんでした。 この委員会を通じ、行政区長らも交えて 水利用の関係者が一同に話し合いをするこ とで、乾季における全域での節水の取り組 み、上下流での公平な水配分などへの理解 が深まることが期待されています。プルサットの委員会をモデルに、2018年にはコンポンチュナン州でもボリボ川の流 域管理委員会が立ち上がる予定です。グローバルニュースアジア より

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