2017年8月6日日曜日

北朝鮮制裁決議を採択=石炭全面禁輸、原油は見送り―全会一致

北朝鮮による2度の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受け、国連安全保障理事会は5日午後(日本時間6日未明)、北朝鮮からの石炭や海産物の輸出を全面禁止し、外貨収入源を大幅に規制する米作成の制裁決議を全会一致で採択した。北朝鮮の貿易取引の9割を占める中国をはじめ、各国が決議を厳格に履行すれば、北朝鮮にとって大きな経済的打撃となる。
 
北朝鮮は7月4日と28日にICBMを発射。安保理では米中両国を中心に協議が行われ、約1カ月間の協議で採択に至った。決議には北朝鮮の友好国である中ロ両国も賛成し、安保理としてミサイルの脅威の重大さを認め、許容しない姿勢を強調した。北朝鮮に対する安保理の制裁決議の採択は8回目。

トランプ米大統領は決議採択を受け、ツイッターで「中国とロシアもわれわれと一緒に投票した。(北朝鮮に対する)非常に大きな財政的打撃になる!」と指摘。「北朝鮮に対する最大の経済制裁だ」と称賛した。一方、中国の劉結一国連大使は記者団に「対話開始に向けさらなる努力をする」と語った。

決議は、北朝鮮の主要輸出品である(1)石炭(2)鉄・鉄鉱石(3)鉛・鉛鉱石(4)海産物―の輸出を例外なく禁止。安保理外交筋によると、加盟国がこの4品目の輸入を全面停止すれば、北朝鮮の年間輸出収入の3分の1に相当する10億ドル(約1100億円)の減収効果があると推計されている。焦点だった北朝鮮への原油輸出制限は盛り込まれなかった。

決議はまた、海外で働く北朝鮮労働者について、加盟国が現在より受け入れ人数を増やすことを禁止。北朝鮮の団体・個人との共同企業体(JV)新設や、既存のJVの拡大も禁じ、外貨獲得手段への締め付けを強化した。さらに、資産凍結や渡航禁止の制裁対象に、北朝鮮の外国為替銀行である朝鮮貿易銀行など4団体と9個人を追加した。

北朝鮮による化学兵器の使用・配備も禁止。制裁の実効性を確保するため、国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)に制裁指定者の国際手配書を出すよう要請した。

ロシアがいずれのミサイルも中距離弾道弾だと主張する中、決議は「北朝鮮がICBMと称するミサイル発射」を強く非難した。また、北朝鮮問題の政治解決を求めつつ、北朝鮮が今後、核実験やミサイル発射を行えば「さらなる重大な措置を取る決意」があると述べ、一段の制裁を警告した。 infoseek newsより

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