2017年8月25日金曜日

サムスン電子副会長に判決へ 朴前大統領巡る贈収賄事件

韓国の朴槿恵(パククネ)前大統領と韓国最大の財閥サムスングループをめぐる贈収賄事件で、贈賄などの罪に問われたサムスン電子副会長の李在鎔(イジェヨン)被告(49)の判決が25日午後2時半、ソウル中央地裁で言い渡される。求刑は懲役12年。李被告側は「予断と推測で構成された起訴だった」として無罪を主張している。
 
同グループの事実上のトップである李被告への判決内容は、収賄罪などで起訴され、同様に無罪を主張している朴被告の公判の行方を占うものになる。実刑判決なら同グループトップの空白が長期化することになり、経営に影響を与える可能性もある。
 
検察側が懲役7~10年を求刑した同グループの元幹部4人にも判決が言い渡される。韓国では公益性の高い裁判の判決は裁判所の許可でテレビで中継できるが、今回、裁判所は中継も写真撮影も不許可とした。
 
検察側は公判で、李被告と元幹部4人が、朴被告と支援者のチェ・スンシル被告に対し、チェ被告の娘の乗馬競技の支援や、チェ被告が事実上支配していたとされる財団の設立資金などとして総額298億ウォン(約29億円)の賄賂を贈ったと主張。賄賂の額は、約束分を含めて433億ウォン(約42億円)に上るとした。
 
検察側は、李被告が、朴被告とチェ被告から、グループ内の企業合併などサムスンの経営基盤確立に協力してもらう見返りを得たと主張。直接証拠が乏しいなか、こうした一連の事実が認定されるかどうかが最大の焦点だった。公判では約60人の証人が出廷したが、朴被告は出廷に応じなかった。
 
判決が言い渡されるソウル市瑞草(ソチョ)区のソウル中央地方裁判所前には、朝から李被告や朴被告の「無罪」や「釈放」を訴えるデモ隊が詰めかけ、警官隊が周辺を警戒した。別の場所では、同グループの労働者有志が李被告の厳罰を求める集会を開いた。
 
裁判所近くを歩いていた就職活動中の無職の男性(32)は「李氏がいくら世界的な企業のトップだとしても、法律は平等に適用されるべきで、有罪になるのが当然だ。無罪になれば、政界と経済界の癒着がこれからも続くことになる」と話した。
 
一方、別の用事で裁判所に来たコンサルタント業の男性(69)は「有罪になれば、韓国経済に及ぼす影響があまりに大きい。たたいてホコリ一つ出ない人はいない。経済を考慮して無罪にしてほしい」と話した。
 
傍聴席は30席。事前にあった傍聴券抽選会の競争率は15倍だった。  朝日新聞より

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