米韓合同軍事演習で北朝鮮との緊張関係が高まるなか、米メディアは「韓国での売上高が大きい外国企業が痛手を受けそうだ」と指摘した。「韓国売り」が通貨下落や資本流出に及んだ際の命綱が通貨交換(スワップ)だが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の慰安婦や徴用工をめぐる妄言で日本との協定再開は絶望的だ。中国との協定も途切れる恐れがあり、専門家は「3度目の通貨危機になりかねない」と警告する。
ブルームバーグは21日、米韓軍事演習が米朝関係の緊張関係を再燃させる恐れがあるとしたうえで、「緊張がエスカレートして商業活動を抑制すれば、韓国に収入の多くを依存する外国企業は痛手を受けそうだ」と懸念を示した。韓国で10億ドル(約1090億円)以上の売上高を計上している外国企業として、携帯電話用半導体メーカー最大手の米クアルコムと半導体製造装置のアプライド・マテリアルズ、イオングループのコンビニ、ミニストップなど8社を紹介した。
韓国株は今年に入って上り調子で、7月24日まで過去最高値水準で推移していたが、28日に北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射したことで急落、8月9日にグアム近海へのミサイル発射を打ち出すと一段安となった。その後も米朝関係が重しとなっている。
韓国の通貨ウォンも、米朝間の危機が高まるたびに売られる展開となっており、米朝間で本格的な軍事衝突となれば、株やウォンが売り浴びせられる事態は避けられない。
こうした非常時に通貨を融通し合うのが通貨スワップ協定だが、日本とのスワップは、朴槿恵(パク・クネ)前政権当時の2015年に停止した。昨年にいったんは協議再開が決まったものの、釜山の日本総領事館前に設置された慰安婦像設置を撤去できず、協議は中断した。
文政権に至っては、「最終的かつ不可逆的」に解決したはずの慰安婦に関する日韓合意を「未解決」と強調した。さらに日本の朝鮮半島統治時代の徴用工問題について、「個人の権利は残っている」と述べ、韓国政府として初めて、個人請求権が消滅していないとの判断を示した。
ゴールポストを動かしまくっている文政権の言動を日本政府が許容できるわけもなく、スワップ交渉を再開する道は事実上閉ざされている。
シンクタンクの韓国金融研究院は、2010年に終了した米国とのスワップも再開に向けて「米国を説得する必要がある」と提言しているが、見通しは全く立っていない。
韓国が現状で最大の約560億ドル(約6兆1180億円)規模のスワップを結んでいるのが中国だが、韓国が、在韓米軍のTHAAD(高高度防衛ミサイル)配備を受け入れたことに対する報復姿勢はいまだに軟化しておらず、10月の満期で途切れてしまう恐れがあると韓国メディアでは心配されている。
韓国は、1997年のアジア通貨危機の影響で事実上破綻し、国際通貨基金(IMF)の傘下に入った。続いてリーマン・ショックのあった2008~09年にかけて2度目の通貨危機を迎えた。
週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏はこんな見通しを示す。
「北朝鮮が新たな核実験を行うなど米国との緊張が高まると、海外の投資家は韓国株やウォンを売り逃げるだろう。命綱となるのは日本とのスワップ協定だが、文政権が交渉再開のために日韓合意を守る方向に転換すれば国内世論の支持を一気に失う恐れがある。日本の協力を得られない場合、3度目の通貨危機は避けられない」 夕刊フジより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2017年8月25日金曜日
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