韓国で軍の将軍夫妻が自宅で兵士らを「奴隷」のように扱っていたことが、非政府組織(NGO)の告発で発覚した。兵士らは洗濯や便所清掃からゴルフボール拾い、切った爪集めまで、さまざまな仕事を強要され、妻から手首に呼び出し装置を着けられていた人もいたという。当局は2日、調査を開始した。
韓国のNGO「軍人権センター(Military Human Rights Centre)」の声明によると、問題のある行動を取っていたのはパク・チャンジュ(Park Chan-Ju)大将と妻。私邸に配属された兵士たちに「洗濯やアイロンがけ、庭仕事、便所掃除」などをさせ、足指の爪のかけらや角質といった細かいものまで残らず拾い集め」させていた。
妻は厨房担当の兵士に日常的に暴言を吐き、フルーツを投げつけたり、ナイフを振りかざしたりしていた。息子にパンケーキを持っていくことを忘れた兵士の顔に、そのパンケーキを投げつけたこともあったという。
ある兵士は、妻の呼び出しに即座に対応できるよう、手首に呼び出し装置の着用を強要されていた。妻はこの兵士に対して、バッテリー切れですぐに対応できなかったら軍事刑務所送りにしてやると脅していたという。
兵士たちはパク大将が朝の礼拝に出掛ける午前6時から、就寝する午後10時までの勤務を強いられた。夫妻は兵士たちの信仰する宗教を問わず、全員に自分たちの教会での礼拝への参列も強要した。
軍人権センターは「兵士たちの日常生活は奴隷と変わるところがなかった」と述べている。
国防省の報道官によると、同省は調査に着手した。
複数の人権団体から「想像を絶する」虐待を行ったと非難されたパク大将は、公に謝罪するとともに辞意を申し出た。
軍人権センターのキム・ヒュンナム(Kim Hyung-Nam)氏によると、軍高官の自宅に配属された兵士に対するこうした虐待は珍しくないが、大半の兵士は声を上げられないでいるという。
韓国では、目下の人は目上の人を丁重に扱わなければならないとされるが、この習慣は軍隊内部ではさらに厳格に守られている。(c)AFPより
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2017年8月3日木曜日
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