2017年6月10日土曜日

米国への全面依存を脱却すべく、技術の蓄積図っていく

左藤章防衛副大臣はインタビューに応じ、航空自衛隊の戦闘機「F2」の後継となるステルス戦闘機「F3」(仮称)について、完成すれば対艦戦闘力だけでなく、優れた対空戦闘力を持つことになるとの見通しを明らかにし、「歴史的な転換点になる」と述べた。F3の具体的な開発方針については、国際的な共同開発を視野に入れながらも、特定の国への依存体質からの脱却に向け、国産技術の蓄積を推進する考えを示した。

次期戦闘機は国産を目指すのか

「国産か共同開発かは、各国との安全保障上の信頼関係醸成や防衛産業育成、最先端技術への貢献などさまざまな兼ね合いで考える必要がある。例えば日本は参加していないが、米国が中心となったF35の共同開発では、他国の技術を取り込めるだけでなく、参加国同士で安全保障面の関係を強めることができるとみている。リスクや開発コストを削減できる利点もある。ただ、特定の国に全面的に依存しているわけにもいかない。共同開発を視野に入れながらも、国産を選択できるように技術の蓄積・高度化を図りたい。先進技術実証機などの研究を通じて技術的成立性を検証していく」

国産の利点は

「安全保障面では防衛生産・技術基盤の維持・強化に役立つ。これにより、自衛隊機の適時適切な能力向上、高い可動率の維持につなげられる。技術秘匿のため外国からの導入が困難なものを自国で作ることにより、安全保障の主体性の確保に寄与できる。また、共同開発を見据えると、バーゲニングパワー(開発分担金などをめぐる交渉力)向上の意義もある」

経済的な効果への貢献は

「F2の共同開発では1100社以上が関わり、経済や雇用を拡大させたほか、先端技術の開発や民間への技術波及(スピンオフ)につながった。例えばF2の炭素繊維強化複合材は米ボーイング787型旅客機に、(広い範囲を素早く探索できる)アクティブ・フェイズド・アレイ・レーダー技術が電子料金収受システム(ETC)などに使われている」

輸出などが弾力化された防衛装備移転三原則の下で、次期戦闘機は輸出の可能性もにらんだ設計にするのか

「戦闘機を海外に移転できるかどうかの方針は決まっていない。さまざまな兼ね合いがあるので国家安全保障会議(NSC)で可否を議論することになるだろう」

日本の技術で優れた戦闘機を開発できるのではないか
 
「個人的にはその通りになると期待している。歴史的に大きな転換点になるだろう。特に日本にはステルス関連で機体の構造や材料、エンジン周りの優れた技術がある。どれだけ日本の技術が世界に認められるか分からないが、しっかり作ることで対艦能力だけでなく、対空能力もかなりの水準までいけるのではないか。優れた戦闘機には抑止力を高める効果があるということを強調しておきたい」  産経ニュースより

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