■Wingdings
画像は、「TAXI」より
さまざまな絵文字が表示されるフォント「Wingdings」は、元々手書きで描かれたもの。1984年に英国ロンドンでデジタル化されると、1990年にはマイクロソフト社によって買収され、世の中に出回るようになった。「Wingdings」が有名になった事件として、2001年に米国で起きた9.11テロが挙げられる。同フォントを用いてワード上で「Q33NYC」と入力すると、飛行機と2つのビルのような絵文字、その横にドクロマーク、六芒星、親指を挙げOKのジェスチャーをする手のマークが並ぶ。この絵文字の羅列は、飛行機が2つのビルに突っ込み死者が出るさまを示唆しているように見え、一部の間で9.11テロを予言していたフォントと話題になった。
画像は、「DEVIANT ART」より
■Comic Sans
画像は、「Identifont」より
英語圏で“ダサさの極み”と酷評され、マイクロソフト社最大の失敗作との呼び声も高いフォント「Comic Sans」は、1994年にヴィンセント・コネアによって製作された。当時開発された子ども向けソフトのキャラクターの“吹き出し”専用として、ヴィンセントは同フォントをデザイン。マイクロソフト社のWindows95に「Comic Sans」が組み込まれ、数百万規模のユーザーが使用できるようになるも評判は散々で、批評家からも幼稚なフォントだとこき下ろされる始末。しかし失読症や難読症を患う子どもが好んで使用するようになり、一部の間では人気のフォントのようだ。
画像は、「Alchetron」より
■Dyslexie
画像は、「THE EYE」より
オランダ人デザイナーで失読症に悩むクリスチャン・ボーアは、自身の読み書きを簡単に、そして正確に行えるようにと「Dyslexie」を開発。失読症の患者は、目にする文字を頭の中で反転させたり置き替えたりしてしまうため、文字の認識自体が困難になる。そこでクリスチャンは失読症患者の悩みを解決するため、1つひとつの文字の違いを際立たせたフォント「Dyslexie」を製作することに。クリスチャンは文字の反転防止策として各アルファベットの下部分を太めに描き、さらに“V”や“W”などの似た形を持つ文字は、切り返しの位置をずらしたり、片方を大きく描くことで違いを強調。その結果、失読症患者の間でも「Dyslexie」は効果的に働いているという。
画像は、「STORYTELLERS FOR YOU」より
■Gabriola
画像は、「Identifont」より
英国人のジョン・ハドソンは、カナダに移住後の1990年代から字体のデザインを開始。ジョンはこれまでに、ラテン語・ギリシャ語・ヘブライ語による原稿に使用される字体のデザインに携わるなど、印字上における国際的な交流の発展に多大な貢献をしてきた。2004年からは新たなフォントの製作も開始し、4年後に「Gabriola」を完成させている。ジョンいわく、「Gabriola」はメロディー独自のユニークさを損なうことなく、さまざまなスタイルで演奏される音楽に触発をされ製作されたそう。同フォントは似た形状の繰り返しを避けるため、多様な使い方を可能にする仕様になっている。
画像は、「YouTube」より
■Westminster
画像は、「Font yukel」より
欧米諸国の銀行で小切手処理の際に使用されるフォント「Westminster」は、1960年代半ばにレオ・マグッスによって製作された。レオは雑誌の特別企画として、近未来的なフォントをデザインするよう依頼を受ける。彼は、1930年頃に製作されたフォント「Gill Sans」をベースに「Westminster」を完成させるも、当時の活字製造業者から実現が不可能だと言い渡されてしまう。その後1軒の写真植字会社が同フォントの製作を承諾したことで、大きな成功を収めることに。「Westminster」という名は、英国のウェストミンスター銀行にちなんで名づけられている。 トカナより
画像は、「Font yukel」より
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