2018年8月23日木曜日

日本だけ減少…研究力衰退あらわ 7カ国調査

人口当たりの修士・博士号取得者が近年、主要国で日本だけ減ったことが、文部科学省科学技術・学術政策研究所の調査で判明した。日本の研究論文の質や量の低下が問題になっているが、大学院に進む若者の数でも「独り負け」で、研究力の衰退を示す結果といえる。

比較可能な日米英独仏中韓の7カ国で修士・博士号の人口100万人当たり取得者数を、2014~17年度と08年度で比べた。

その結果、最新の修士号の取得者数は、中国が08年度比1.55倍の350人▽フランスが1.27倍の1976人などで、日本以外で増加。日本だけが08年度比0.97倍の570人と微減だった。

博士号も同じ傾向で、韓国は1.46倍の279人▽英国は1.23倍の353人などと増える中、日本だけが0.90倍の118人と減った。内訳が明らかでない中国を除く6カ国で自然科学で比較しても、日本だけが修士・博士号取得者は横ばい、または減少していた。

研究所によると、日本の取得者は自然科学に偏るが、他国では特に修士で人文・社会科学の取得者が多く、全体の取得者数に影響しているという。

日本の博士号取得者は、06年度をピークに減少に転じた。取得後も多くが雇用が不安定な任期付き研究員にならざるを得ず、敬遠されたことも背景にあるとみられている。

毎日新聞より

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