2018年8月24日金曜日

桑に農薬効果のたんぱく質…農研機構

つくば市の農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は、桑が分泌する「乳液」から、新たな農薬として利用できる可能性のあるたんぱく質を見つけたと発表した。害虫が食べた餌の消化・吸収を妨げて成長を抑える効果がある。農研機構は「従来の農薬に耐性のある害虫も現れており、これまでとは異なる作用の農薬が求められている」としている。

桑の葉を食べた昆虫は成長が遅くなることが知られているため、農研機構は葉などの傷口から分泌される乳液に着目。詳しく調べると、「MLX56」と呼ばれるたんぱく質に成長抑制の効果があった。

さらに、このたんぱく質を含む餌を、ガの一種など害虫の幼虫に食べさせたところ、消化管の内壁を守る役割のある薄い膜が、数十倍に厚くなっていることがわかった。消化酵素や栄養素がこの膜を通り抜けにくくなり、成長が抑えられてやがて死ぬとみられる。理由はわからないが、カイコは影響を受けないという。

農研機構の今野浩太郎・上級研究員(53)は「桑は茶などの食品になっており、人間への安全性は問題ないとみられる。5~10年はかかると思うが、実用化させたい」と話している。 読売新聞より

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