大手重工メーカーが宇宙ビジネスを強化している。三菱重工業とIHIは新型ロケット、川崎重工業は宇宙ごみ(デブリ)を除去する人工衛星を開発し、新たな事業の可能性を探る。各社とも長年の事業で培った技術や経験を生かし、先行する海外勢やベンチャーに対抗する構えだ。
「(現行の)H2Aに比べて約半分のコストを目指している」。三菱重工の宇宙事業を率いる二村幸基執行役員フェローは平成32年度に試験1号機打ち上げを予定する大型ロケット「H3」について、こう話す。
H3は全長63メートルで、静止軌道への人工衛星の打ち上げ能力は6・5トン以上とH2Aの4・6トンを上回る。三菱重工は汎(はん)用(よう)部品の採用などを進め、コストを50億円程度に半減させる考え。
H2Aを製造してきた三菱重工は、25年にJAXAから打ち上げ輸送サービスの事業移管を受けて自ら顧客開拓を開始。海外からも受注を積み重ねつつある。日本が打ち上げ回数で欧米に後れを取る中、追い上げの原動力になる。
IHIは、小型衛星の需要増で普及が進む小型ロケット分野を強化する。キヤノン電子などと共同出資会社を設立し、JAXAから製造を請け負う「イプシロン」よりさらに小さいロケットの開発に着手。33年度の打ち上げサービス開始を目指している。IHIの並木文春宇宙開発事業推進部長は「(ラインアップ拡大で)顧客対応の幅を広げ、拡大する需要を取り込む」と意気込む。
一方、川崎重工が開発中の衛星は画像センサーで捕捉した大型デブリをつかんで大気圏に突入し燃やし尽くす仕組み。32年度にも試験機を打ち上げる計画で、実用化されれば世界初となる。衛星へのデブリ衝突が問題視される中、政府機関などから受注したい考え。
宇宙分野をめぐっては、政府から民間に事業主体が移る一方、小型ロケットやデブリ除去、衛星データの活用など裾野が広がりつつある。一方、米スペースXに代表されるベンチャーや新興勢力の台頭で競争は激化し、価格破壊も進む。「開発を続けないと技術が途絶えてしまう」(並木氏)との事情もあり、重工メーカーにとっては正念場にもなっている。産経ニュースより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2018年8月28日火曜日
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