韓米が2019年から適用される第10回防衛費分担金協定(SMA)のために交渉を続けているが、米国側が韓国の分担金大幅増額を要求し、接点を見いだせずにいる。トランプ米大統領が大統領選候補当時から韓国を「安保ただ乗り国」と指摘しながら公言した通りに進んでいる。
韓国外交部当局者は27日、記者らに対し、韓国側の分担額について「双方が最初の立場から隔たりを狭めるために努力している過程としか言えない。まだ立場の違いはかなりある」と説明した。防衛費分担金とは在韓米軍の駐留費用のうち韓国が分担する金額であり、今年の韓国側の分担金額は約9602億ウォン(約960億円)。韓米は22-23日、ソウルで今年6回目となる会議を開き、争点について議論した。
米国側は防衛費の規模を増やすため、これまでになかった新しい項目も提案した。防衛費は▼在韓米軍で勤労する韓国人勤労者の人件費▼軍事施設建設費▼軍需支援費の3つの分野だが、米側は「作戦支援費用」という項目を新設しようと主張している。ここに戦略資産の韓半島(朝鮮半島)周辺展開費用を含めようということだ。従来の項目だけでは大幅増額に限界があると判断し、新しい項目を考案したのだ。これに対し韓国側は「防衛費はもともと在韓米軍の駐留だけに関連する費用」として対抗している。
また政府は「間接費用」などに言及しながら韓国の寄与を浮き彫りにしている。韓国国防研究院によると、2015年基準で韓国が負担した防衛費分担金は約9300億ウォンだが、間接支援額と一時的費用などをすべて合わせると在韓米軍駐留のために韓国が出す費用は約5兆4000億ウォンだった。間接支援額には関税や内国税など税金免除金額(約1100億ウォン)、KATUSA(在韓米軍配属の韓国軍)兵力支援費用(約936億ウォン)、上下水道および電気料金減免額(91億ウォン)などが含まれる。一時的な費用とは龍山(ヨンサン)米軍基地の平沢(ピョンテク)移転費用で約2兆600億ウォンにのぼる。
しかし米側は韓国の寄与を認めながらも、これを防衛費分担金総額に含めることはできないという立場だという。関連事情に詳しい情報筋は「現在、両国はいくつかの争点で隔たりが大きいが、米国交渉団の最大の関心は総額」とし「実際、総額である程度の要求が通れば、項目の部分では主張内容が貫徹されなくても了解する雰囲気だと聞いている」と伝えた。
別の情報筋は「問題は、米側交渉団が現在提示している金額も非常に大きいが、この金額がトランプ大統領が満足している金額かどうか確実でないという点」と話した。トランプ大統領は昨年も「同盟国が駐留米軍防衛費を100%負担しなければ(自国を)自ら守るべきだ」と述べた。在韓米軍駐留費用は約2兆ウォンと推定され、トランプ大統領の主張に基づけば韓国の防衛費分担金は倍に増える。
政府が朴槿恵(パク・クネ)政権当時の2014年に締結した第9回SMAを問題視しているのも影響を及ぼす見通しだ。政府は当時の合意で米軍の盗聴用敏感特殊情報施設(SCIF)建設のために韓国が追加支援することが可能という約定書が国会に遅く提出されたことを問題に取り上げた。分担金交渉の過程と使い道に関する透明性を強調したのだ。このため政府は今回の交渉でも透明性を前面に出している。
しかし米国側はこれを在韓米軍司令官の裁量権レベルと見なし、金額が決まれば使い道については韓国政府のいちいち承認を受ける必要はないという雰囲気がある。
韓米間の駆け引きはしばらく続く見通しだ。国会の批准にかかる期間などを考慮すると、9-10月に交渉を妥結してこそ2019年1月1日から直ちに新しい協定が発効するが、この期間に双方の隔たりが狭まるかは不透明だ。中央日報より
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2018年8月28日火曜日
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