2018年8月25日土曜日

中国報道官、モンゴル国との提携と協力を強調=モンゴル側には受け入れざるを得ない

中国政府外交部の陸慷外交官は24日の定例記者会見で、モンゴル国を公式訪問した中国の王毅外相が、モンゴル側から大いに重視されたことについて、「モンゴル国は『一帯一路』を共に建設する天然のパートナーだ」などと述べた。モンゴル人の間での対中感情は良好とはいえないが、政府としては中国との良好な関係を構築をせざるをえない状況だ。

王外相とバトトルガ大統領などモンゴル政府要人との会談では、モンゴル側から「一帯一路」など中国の政策に深くかかわり、中国側によるモンゴルにおけるインフラ建設やエネルギー、電力分野の協力について、両国がガイドラインの設定を早めるなどの提案があったという。

王外相も、モンゴル国がインフラ建設を早めることを支持し、モンゴル国が「発展のボトルネック」を突破することを助け、モンゴル国が「一帯一路」により現実的な利益を得ることを支持するなどと述べた。

陸慷外交官は24日の記者会見で、「中国とモンゴルは山も川も連なった、友好的な隣国だ。モンゴル国は『一帯一路』を共に建設する天然のパートナーだ」などと述べ、両国の協力で双方が新たなチャンスを得ることができるなどと主張した。

しかし、モンゴル国民の対中感情は、良好とは言えない状況だ。まずは、人口がわずか300万人程度のモンゴル国が人口が14億人近い中国に接しているという、「人口圧力」に対する警戒感がある。しかも、内陸国であるモンゴル国は、海への出口を中国に抑えられているという恐怖感がある。

また、裕福になった中国人男性がモンゴル国で愛人を持つなどの行為に対する嫌悪感もある。

しかし、自国経済を安定して発展せねばならないモンゴル国政府には、中国との良好な関係を推進せねばならない構図がある。そのため、モンゴル国政府は中国の意向を最大限に受け入れねばならない「宿命」を持っていると言える。

なお、中国国内では、内モンゴル自治区を中心に580万人のモンゴル族(モンゴル民族)が暮らしている。中国における民族分類は戸籍上のもので、実際にはモンゴル語を全く話せないモンゴル族も多いが、それでも、中国国内のモンゴル民族人口はモンゴル国よりも多いと考えてよい。

モンゴル国と内モンゴル自治区の歴史的所属については中国側とモンゴル国では見解が分かれている。モンゴル国側は「モンゴルはもともと中国とは別の国。元朝時代にはモンゴルが中国を支配したが撤退した。内モンゴル自治区は本来、モンゴル人の土地だったが、歴史の経緯により手放すことになった」だ。

一方の中国は「モンゴル民族はもともと中国の多くの民族の一つだ。20世紀になってからの歴史の変動により、モンゴル国は中国から分離した。ただし中国はモンゴル国の独立を承認した」との見解だ。

双方の歴史見解は異なるが、中国はモンゴル国の独立を認め、モンゴル国も中国領内モンゴルの領有権を主張する考えはないと明言している。つまり双方が、「過去のことは追求しない」との方針を堅持しているので、「歴史問題」が表面化することはない状況だ。

レコードチャイナより

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