2018年8月27日月曜日

訪朝中止…トランプ氏、北「非核化遅れ」元凶は中国 台湾イジメも糾弾

ドナルド・トランプ米大統領は24日、マイク・ポンペオ国務長官の北朝鮮訪問を中止させたことを明らかにした。

朝鮮半島の非核化が進まないのは中国のせいだと名指しで批判。外交も絡めて対中攻撃の姿勢を強めた形だ。貿易戦争をめぐる協議も物別れに終わり、22兆円規模の制裁第3弾の可能性が高まるなか、中国当局は人民元の下落を抑制する措置を再開した。「為替操作」を批判するトランプ氏の圧力に屈した形だが、輸出への大打撃は避けられない。

ポンペオ氏は27日にも訪朝し、高官協議を開くとみられていたが、トランプ氏は急転、訪朝中止を指示したとツイッターで明らかにした。

「朝鮮半島の非核化に十分な進展が見られないと感じたからだ」と不満をもらす一方、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に対しては「近く会えることを楽しみにしている」と2度目の首脳会談開催に重ねて意欲を示した。

トランプ氏が代わりにやり玉に挙げたのが中国だ。

「私たちが貿易でさらに厳しく臨んだため、中国は以前より協力しなくなった」と述べ、非核化停滞は中国が対北朝鮮で非協力的になったことが背景にあるとの見方を強めた。ポンペオ氏の訪朝も「たぶん中国との貿易問題が解決した後になる」との考えを示した。

ただ、「貿易問題が解決」する気配は全くない。米国は対中追加関税について、すでに発動した500億ドル(約5兆5000億円)分に加え、9月中にも2000億ドル(約22兆円)分の中国製品に25%関税を上乗せする措置を発動する予定だが、現状では中国側に止める術はない。

トランプ政権は、習近平政権による「台湾断交戦略」も見逃さなかった。中米エルサルバドルが台湾との外交関係を断絶し、中国との国交樹立に関する共同声明に署名したことについて、ホワイトハウスは中国の「内政干渉」だと重大な懸念を示した。

さらに、中国からの投資は短期的に経済成長やインフラ開発を刺激することはあっても、長期的には中国への経済的依存や中国支配につながるとし、「中国との関係を樹立したり拡大したりする国は失望することになる」と強調。米議会でも、台湾との外交関係を断絶しようとする国への対外援助の停止などの権限を国務省に与えて、台湾との関係を維持させるための法案が提出される見通しだ。

米国が経済と外交で対中姿勢を鮮明にするなかで、中国当局は気になる動きを見せた。外国為替市場を運営する中国外貨取引センターは24日、日々の人民元取引の目安となる対ドル基準値の設定に関して、「過度な元安進行を食い止めるための措置」を約7カ月ぶりに再開したと発表した。

貿易戦争が激化した6月以降、人民元相場は米利上げも重なって対ドルでの下落が加速していた。米政権は、中国が制裁関税の影響を軽減するために、輸出に有利な人民元安を容認していると批判。トランプ氏は「中国は自分たちの通貨を操作していると思う」と明言していた。

23日まで米ワシントンで開かれた米中次官級の貿易協議では、貿易不均衡の是正や、中国の知的財産権侵害をめぐる議論に加え、米国側が元安の抑制を中国に要求し、習政権側が米国の圧力に屈したとの見方もある。

中国にとっても、人民元売りが止まらなくなれば、海外への資本流出を招く深刻な事態となるだけに、急速な通貨安を食い止めたいという思惑もある。

ただ、元が高止まりした場合、「トランプ関税」がかかった米国向け輸出品の価格の上昇を抑えられず、輸出競争力は大きく落ちる。

習政権に打つ手なしだ。夕刊フジより

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