今年8月、韓日両国が軍事情報を共有する軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が1年延長された。北朝鮮を除くと、反応は静かなものだった。朴槿恵(パク・クンへ)政権が昨年11月、弾劾の局面で同協定を締結した際には韓国内部が騒々しかったのと比べると、「同じ国なのか」と思ってしまうほどだ。北朝鮮の宣伝メディアだけが「1000年の宿敵との醜悪な共謀結託」「極めて危険かつ犯罪的な事大売国交渉」と猛烈に非難した。
9カ月前、当時の野党が同じ主張をしていた。今では与党になっている民主党の院内スポークスマンは「密室、拙速、屈辱の協定」だとして撤回を要求した。民主党の予備選候補だった文在寅(ムン・ジェイン)氏は、ツイッターに「国務会議(閣議に相当)が議決したのは韓日GSOMIAではなく、大統領解任建議案」と書き込んだ。同党の別の予備選候補は「退陣の危機に追い詰められても売国の本能はどうすることもできないらしい」とあざけった。歴史問題も重要だが、差し迫った北朝鮮の核武装に対応するためには避けられない-と韓国国防部(省に相当)がコメントすると、野党は長官の解任建議を進めようとする動きまで見せた。民主党は「効用を検討した後に延長するかどうかを決定する」という公約を掲げた。
しかし結局、「協定延長」という結論が出た。緊迫した展開を見せる安全保障の状況を考慮すると、どのみちこうするしかなかった。結末がはっきりしていたという点では、高高度防衛ミサイル(THAAD)と似ている。差があるとすれば、中国のような邪魔者がいないせいか、韓日GSOMIA延長はひっそり行われたという点だ。THAADのように、大統領とそのブレーンが要らぬゴタゴタを起こすこともなかった。文在寅政権における対日関係の基本的な方向は、過去史と安全保障問題は切り離して対応するというものらしい。実際、そのほか別の道は見当たらない。
トランプ政権になる前から、米国は韓日を相手に「仲良くしろ」と迫ってきた。安全保障上の必要性が大きかったからだ。にらみ合っていた韓日の首脳が手を握ることになったのは、北朝鮮の核の脅威のせいだった。これは、今年7月の韓米日首脳会談の共同声明にも反映された。共同声明には「北朝鮮がもたらす脅威に対して、3国間の安全保障協力を推進し続けることを約束した」という記述が盛り込まれた。日本をパートナーとする「安全保障協力」は、韓国国内の感情を考慮し、かつての政権では明文化を避けていたものだ。当時は、文大統領が「われわれが運転席に座って(南北関係を)主導したい」と自信を見せていたころだった。北朝鮮さえうまく説得すれば、域内の緊張の水位も下がっていくだろうと考えることができた。しかし大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射、6回目の核実験で、金正恩(キム・ジョンウン)委員長は完全に反対側へと向かった。
先日ワシントンで、米国政府・議会・シンクタンクの韓半島(朝鮮半島)専門家らと会った。文在寅政権に対する不安感は予想よりも深かった。「中国は諦めていたのに、韓国がTHAADの配備に時間をかけ、中国に『韓国いじめ』のチャンスを与えた」「韓国が北朝鮮に対話提案を行うと、2日前に伝えてきた。相談ではなく通知だった」などなど。この過程で出てきた話が、韓米日の安全保障協力だった。中国が中朝関係にこだわり続けるのなら、米国としては韓日の弾道ミサイル・対潜防衛システムを強化する準備ができている、という話だった。韓国の海上ミサイル防衛能力を米日のレベルに、韓国海軍の対潜作戦能力を日本の自衛隊のレベルに引き上げるというものだ。ここには、韓米日の合同演習も伴ってくる。ソウル-ワシントン、東京-ワシントン間でこうした協議が進んでいるという話がメディアを通して一部伝えられたが、実際に接してみると、米国側の意志が強いように見えた。
北朝鮮のICBMの実質的脅威に米国がさらされる中、外交・安全保障の専門家らが頭に描いていたシナリオが現実にアプローチし始めた。韓米日、三角軍事協力の高度化もその一つだろう。実際に米国が要求したら、韓国国内の進歩・左派陣営はもちろん、中国が「米国のミサイル防衛(MD)システムへの編入」だと反発するだろう。日本との軍事協力にアレルギー反応を示す人々も少なくないだろう。しかし、その選択がもたらす別の側面も、同じ重みで議論しなければならない。売国だとか親日だとかいって攻防を繰り広げていられるほど、韓国の安全保障の現実は安穏とはしていないからだ。 yahooニュースより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2017年10月1日日曜日
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