北海道上空を相次いで通過した北朝鮮のミサイル発射で、東北各県も緊迫する北朝鮮情勢を注視する日々が続く。こうした中、国防関連施設が立地し、日本海に面している青森県つがる市で先月、避難訓練が行われたが、市民からは避難方法を不安視する声も聞かれた。さらに、相次ぐミサイル発射による「慣れ」からくる危機意識の希薄さを危惧する専門家も。「眼前の脅威」への対処を真剣に考えなければならない。
同市には米軍のミサイル防衛用早期警戒レーダー「Xバンドレーダー」や航空自衛隊車力分屯基地に地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が配備されている。北朝鮮によるミサイル発射で市民から不安の声が上がったことで、県が市と共催で9月1日に住民避難訓練を初めて実施した。
◆不安や戸惑いの声
8月29日早朝にミサイルが北海道上空を通過した直後の訓練とあって、参加した市民は真剣な表情で臨んだが、短時間で避難する方法の難しさを指摘する声が上がった。
同日の全国瞬時警報システム(Jアラート)では、ミサイル発射から通過までわずか12分。坂本京子さん(75)は「訓練は必要だが、急にミサイルが飛んでくれば十数分の間で冷静に対応できるかどうか…」と不安を口にした。工藤●(たかし)さん(72)は「外にいる時に近くに建物がない場合はどうするのか」と戸惑いを隠せなかった。
県防災危機管理課の坂本敏昭課長は「サイレンが聞こえたら屋内避難、近くに建物がない場合は身を小さくして物陰に隠れるなど、落ち着いて行動してほしい」と話す。だが万一、ミサイルが着弾した場合、パニックに陥り、冷静に対応できない恐れもあるだけに住民への周知、避難方法に検討の余地を残した。
◆自己防衛の意識
Jアラートの着信音が脳裏に焼き付く中、わずか2週間余りの9月15日早朝、またもやけたたましい着信音が響き渡った。すぐさま青森市内で取材を始めたが、返ってきた反応はさまざまだった。
「いい加減にしてほしい。安心して生活できない」(男性会社員)。「いつまで北朝鮮に好き勝手にやらせているのか。政府は米国などと連携して毅然(きぜん)と対応するべき」(自営業の男性)といった非難の一方で、「『またか』という感じで驚かない。北朝鮮も日本にミサイルを撃てばどうなるか分かっているはず。あまり騒ぐのは…」と言うタクシー運転手もいた。
事態の常態化によって、危機の本質を見誤ることを危惧するのは、危機管理学が専門の青森中央学院大・大泉常長准教授(42)=写真=だ。スペインで2度、テロに遭遇した経験を持つ大泉准教授は「一人一人が今の状況に危機感を持ち、自分の身は自分で守る自助の行為が重要。安全は与えられるものではなく作るもの」と言い切り、欧米では一般的なシェルターの議論の必要性も指摘する。
また、一部でミサイル発射という危機の本質から逸れ、Jアラートの在り方に焦点を当てる風潮がある。大泉准教授は「根拠のない安心感を持っている人は、Jアラートは耳障りでしかない。危機の捉え方の矛先が間違っている」と反論する。さらに、大泉准教授は「国の危機管理には限界がある」とし、陸海空の自衛隊、米軍基地、原子力関連施設が集中立地している青森県が先頭に立った安全教育の議論喚起を指摘する。
いたずらに不安をあおる必要はないが、「冷静に最悪の事態を想定する意識を持つ」ことが社会の安全・安心の構築、セルフディフェンス(自己防衛)につながることを認識する必要がある。 yahooニュースより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2017年10月1日日曜日
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