中国メディア・今日頭条は7日、日本人が撮影したという1983年当時の中国各地の写真を紹介する記事を掲載した。記事は「当時の人びとの幸福度はとても高かった」としている。
今から34年前の1983年は、中国が改革開放路線を歩むことが決定してから5年後に当たる年。文化大革命の混乱から抜け出して、新しい社会が作られ、経済改革が進むとともに、日本などから様々な新しい文化も流れ込むようになった時代だ。まだまだ貧しいながらも、希望にあふれる明るくそしてのどかな空気が流れていたことだろう。
記事が紹介したのは、83年当時に日本人が撮影したという10枚の写真だ。写真には、重慶市、四川省成都市、広西チワン族自治区桂林市、河南省開封市、貴州省貴陽市、山東省済南市、そして北京市の様子が映っている。
街並みは古く地味な建物が並び、道を走る自動車やトロリーバスも年季を感じさせる。街を行く市民の服装も、青や茶色、黒など地味な色が圧倒的に多く、男性が来ているランニングシャツも薄汚れてくたびれている。しかしながら、青くて広い空や、市民がカメラに向かって見せる明るい笑顔がとても印象的だ。開封市の屋台の男性、そして北京市で子どもと一緒に簡素なゴーカートに乗る父親の屈託のない笑顔は、この時代の明るさや幸福感を象徴するものかもしれない。
写真を見た中国のネットユーザーは「このころは求めるもの、信じるものがあり、精神的に満足していた。今は暮らしが良くなった代わりに生活がひどくなった」、「精神的な快楽は物理的な快楽を上回るということを、事実が証明している」、「あの頃はニセモノも少なかった」、「もう戻れない純粋な時代だ」といった感想を残している。
さまざまな副産物に目をつぶり、急速な経済成長を最優先してきた中国。これから先は、置き去りにしてきた心の豊かさを探し求める時代がやってくることだろう。
サーチナより
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