■たくさんの霊の声が聞こえる!?
写真の左の方からタンクローリーが降りてきたが、左折に失敗して写真右手の方で横転した
その場所はペッブリー通りにある。バンコクの伊勢丹デパートも近く、外国人に人気のショッピングスポットであるプラトゥーナーム市場から東に約1キロほど歩いた場所にある。信号があり、その85メートル先に高速道路の出入り口がある。霊聴力があるという若者はここはよほどのことがない限り通らないのだと言った。
「たくさんの人々の声が聞こえるんです。うめき声、叫び声。気をつけないと引きずり込まれてしまいそうになる。だから、ここは通らないようにしています」
実際に心霊スポットなどを紹介するタイ語サイトでもこの場所を怖い場所として紹介しているところが多い。また、日本人女性もこの場所を通った際に異変を感じたことがあると言った。
「夜にここを通ったことがあるんですが、スカートを引っ張られました。気がしたというレベルじゃなくて、本当にスカートが少し持ち上がったのです。最初痴漢かと思ったのですが、うしろには誰もいませんでした」
女子寮やアパートがあった場所は現在は車の修理工場かなにかがひっそりとある。この門の辺りで日本人女性がスカートを引っ張られた。
多数の目撃情報や噂話が出るこの場所は、実は当時タイ史上最大の事故が発生した現場でもあった。
■香港映画「The EYE」のラストシーンのモチーフにも
タイの警察やマスコミではこの心霊スポットの発端となった事故を「1990年ペッブリー通りガス爆発事件」と称している。この事故では67台の車とアパートや寮など51部屋分が焼失。80人の死者と36人の重傷者を出し、総額2.2億バーツの被害額となった。今のレートはバーツあたり3円レベルなので約6.6億円だが、当時は5円レベルだったそうなので11億円相当に上ったことになる。
画像は、「mthai」より。事故当時の新聞などの写真が下記のURLにある。
この事故は1990年9月24日22時ごろに発生した。LPGガスを2万リットルのタンクふたつに満載したタンクローリーが高速道路の高架線から降りてきた際、出口にある信号が赤になりかけていたために急いだところ、左折に失敗して横転。直後には爆発しなかったが、事故の影響でじわじわと熱を帯び、爆発を起こした。タンクローリーは車両検査を受けていなかった違法車両でタンクの強度が不足していたことがのちにわかっている。数秒もかからずして周辺100メートル近くが火の海となった。火炎はビル3階以上の高さにまで上ったという。
現場そばの信号。現場から約85メートルだが、ここも火の海になり、多数の死者を出している。
事故直後に車に残っていた人やタンクローリーとの衝突で負傷した人々が火災に巻き込まれた。そして、タンクローリーが爆発炎上した目の前には女子寮があり、多くの女子学生などが死亡したという。運転手は即死。多くの巻き込まれた被害者たち、特に女子寮に住んでいた女の子たちが今、ここで霊になって現れるとされている。
この大事故は2002年の香港・シンガポール合作映画「The EYE【アイ】」のラストシーンのモチーフとして描かれている。映画後半では舞台をタイに移しており、その際に主人公が巻き込まれる事件としてこの事故のシーンが描かれていた。同映画はハリウッド映画としてジェシカ・アルバ主演でリメイクされているが、実際の事件をモチーフにしているので、ラストの迫力はオリジナル映画の方が恐い。
このエリアはビジネス街にも近いことから、日中はそれほど不気味な雰囲気はない。しかし夜間は車の通行も少なくなり、オレンジ色の街灯が怪しげな感じを醸し出す。近くには小規模のスラム街もあるなど元々治安もいいとは言えない。そんな有名心霊スポットがバンコク中心にあった。
トカナより
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