■米中の北朝鮮制裁決議案
米国のケリー国務長官と中国の王毅外相は、2月23日ワシントンで開かれた記者会見場で、北朝鮮制裁決議案について「重大な進展があった」と語った。米国は2月25日、国連安全保障理事会にこの新決議案を提出した。この北朝鮮制裁決議案では、1.航空機・ロケット燃料の輸出禁止、2.原油供給の制限と石炭、鉄鉱石などの輸入禁止、3.北朝鮮を出入りするすべての貨物の検査義務化、4.対北朝鮮兵器全面禁輸、5.渡航禁止および資産凍結対象に北朝鮮の偵察総局と国家宇宙開発局や原子力工業省など12団体17個人を追加指定、6.北朝鮮銀行の国外での新規支店・営業所開設禁止、7.朝鮮・高麗航空の国連加盟国領空通過禁止、8.北朝鮮政権の人権侵害に対し制裁を加えることができる根拠などが盛り込まれている。
今回の制裁で特に注目されるのは、陸・海・空の制裁が「要請」から「義務」に強化されており、これによって対北朝鮮制裁は、陸・海・空の封鎖のレベルまで可能となったことである。これは軍事行動一歩手前まで制裁が強化されたことを意味することになる。
■北朝鮮は全く米中合同制裁措置にも動じない動きを見せている
これまでも中国は対北朝鮮制裁に賛成しながら実行段階で骨抜きにする行動をとってきた。しかし、今回は韓米合同軍事演習が質量ともに過去最大規模となり、北朝鮮の核・ミル基地への先制攻撃や金第一書記の除去を想定した「斬首作戦」が実施されるかもしれないところからその後の北朝鮮の反応が注目されていた。ところがG7サミット開催当初にミサイルが発射され、これまでに昨年の20発を上回る12発のミサイルが発射されたことになっているのが現状である。しかも、韓成烈北朝鮮外務次官が「今後もミサイル訓練を重ねる。毎週、毎月、毎年だ。アメリカが何かする気なら核先制攻撃で対応する」と発言しているほどである。さらに、日朝国交正常化交渉担当・宋大使は「もし戦争になったら真っ先に被害を受けるのは当然日本だ」と牽制したのである。
■トランプ政権の軍事攻撃も辞さずという強硬な姿勢
来日したアメリカのペンス副大統領は、横須賀基地の原子力空母ロナルド・レーガンを訪れ「北朝鮮は最も危険な国だ。トランプ大統領が世界に明確に示したように、戦略的忍耐の時代は終わった」と強気の姿勢を示した。トランプ政権の軍事攻撃も辞さずという姿勢を安倍総理も「全ての選択肢がテーブルの上にあるという考え方で対処しようとしていることを日本は評価している」と発言し協調関係を示している。このような緊迫した状況の中で日本は何も対処できないのではないかと言われ始めている。もし万一、米国が軍事行動にでた場合に北朝鮮が真っ先に日本を叩き始めたらどうなるだろうか? 稲田防衛大臣は「我が国が射程内に入る核弾頭搭載弾道ミサイルが配備されるリスクが増大していくものと考えられます」と述べ「(ミサイル撃ち落としは)可能ということでございます」と答弁しているが俄かには信じられないように思われる。
■北朝鮮問題で鍵を握るのはやはり中国
今後北朝鮮情勢が混乱するようになれば韓国からの難民が日本に流れてくることも予想され在韓邦人の保護が浮上することであろう。北朝鮮をめぐる情勢は変化が目まぐるしいが、やはりここにきて中国の対応が鍵を握っているように思われる。日本の安全保障にも大きくかかわる問題なので、今後の動きから目が離せないところである。 サーチナより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2017年6月7日水曜日
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