2016年8月5日金曜日

国民生活よりミサイル開発に巨費投入

北朝鮮が3日、中距離弾道ミサイル「ノドン」(射程1300キロ)を発射し、秋田県男鹿半島沖約250キロの排他的経済水域(EEZ)に着弾した。金正恩(キム・ジョンウン)体制の約4年8カ月で、発射された弾道ミサイルは失敗を含めて30発以上。約99億円以上の資金が投じられたとみられるが、国際社会の経済制裁下でどう資金を捻出しているのか。

韓国国防省の推計として韓国メディアが報じたところによれば、2011年末以降の金正恩体制の下、北朝鮮が発射した弾道ミサイル(長距離弾道ミサイルを除く)は7月下旬段階で計31発。

内訳をみると、▽短距離弾道ミサイル「スカッド」(射程300~500キロ)16発▽ノドン6発▽新型距離弾道ミサイル「ムスダン」(同2500~4000キロ)6発▽潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)3発となる。これに3日のノドン2発を加えると、弾道ミサイルの発射は33発にのぼる。

韓国メディアによると、金正日体制の約17年間で発射された弾道ミサイルは16発。金正恩体制ではすでに、倍以上の弾道ミサイルを発射した計算となる。

一方、北朝鮮が中東向けに輸出していたミサイル価格などから計算すると、発射されたミサイルの総額は1100億ウォン以上(約99億円以上)。これは、北朝鮮の住民が2カ月間、トウモロコシを購入できる金額に相当するという。

ただ、この総額には、3回の長距離弾道ミサイル発射や2回の核実験は含まれていない。実際には数千億ウォンに達するとの見方もある。

このほかにも、昨年10月に挙行した朝鮮労働党創建70周年の閲兵式には4000億ウォン(約362億円)、今年5月の党大会の準備には少なくとも2億ドル(約202億円)が費やされたとの推計もある。

巨額の資金を投じ、軍拡にひた走る北朝鮮。その資金源として指摘されるのが、中国の貿易制裁に存在すると言われる抜け穴だ。北朝鮮は5万人以上の労働者を海外に派遣し、年間約2億ドル(約202億円)相当の外貨を稼いでいるとも言われる。

賭博サイトの運営、シリアへの雇い兵派遣、米ドル・人民元の偽造説といった疑惑も尽きない。ミサイル開発に没頭する北朝鮮にとって、貧困にあえぐ人民の生活改善という視点はない。
夕刊フジより

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