ロシア、トルコ関係正常化

ロシアのプーチン大統領とエルドアン大統領は9日、ロシアの第2の都市サンクトペテルブルクで会談し､経済交流を含む関係正常化で一致した。両首脳が直接会うのは、昨年11月にシリア駐留ロシア軍機が「領空侵犯」を理由にトルコに撃墜され､両国の関係が極度に悪化してから初めて｡両国が対立するシリア情勢も議題となりました。

会談冒頭、プーチン氏は、エルドアン氏の訪ロは、対話再開を望んでいる証拠だと歓迎。エルドアン氏は会談に謝意を示した上で､両国が協力を拡大する事を信じていると述べています。

エルドアン氏にとっては、今年7月にトルコのクーデター未遂事件後、初の外遊。欧米が事件関与を理由とする大規模粛清などのトルコ政府の強権的手法に懸念を示す中、プーチン氏はエルドアン氏の主導で憲法秩序が回復される事を望む｡ロシアは違憲行為に常に反対だと支持を表明しました。エルドアン氏は民主主義を強化すると約束しました。

会談では、トルコ産農産物輸入、チャーター便、ロシア産天然ガスのパイプライン計画の再開なども議論。ロシア機撃墜の補償金問題で両首脳が合意できるかも焦点となったとみられます。

ロシアがアサド政権、トルコが反体制派を支援するシリア情勢を巡っては､双方の主張は平行線を辿った模様です。プーチン氏は共同記者会見で､テロとのたたかいの必要性で共通理解があるとアピールしました。