2016年8月12日金曜日

北米初進出の人類

北米に初めて進出した現生人類(ホモ・サピエンス)は、従来有力とされていた、内陸の、氷の回廊を通らず南へ向かったようだ。氷の回廊があったとされる地域の湖の堆積物を調べたデンマーク・コペンハーゲン大学などの国際研究グループが10日付けの科学誌「ネイチャー」電子版に発表しました。

現生人類は、北米大陸やユーラシア大陸の広い範囲が氷に覆われていた最終氷期の終わり頃、海面が低下し陸化していた、ベーリング海峡を通ってシベリアからアラスカを通って北米大陸へ進出したと考えられています。その時通ったとされるのが、現在のカナダに当たる地域にあった南北1500㌔の無氷地帯「氷の回廊」です。

最近の研究では南米大陸に少なくとも1万4700万年前には現生人類がいたことが報告されており、最初のアメリカ人が「氷の回廊」を通ったのであれば、それよりも前だったことになります。

研究グループは、カナダの二つの湖の堆積物を採取し、含まれている花粉や化石、さらに当時生息していた動植物のDNAを調べました。その結果「氷の回廊」に、現生人類が通過する際、食物や燃料、道具を提供してくれる植物が茂り、それを食べる大型動物が生息するようになったのは1万2600年前からだったことが分かっています。

研究グループは、現生人類の北米進出が「氷の回廊」経由でなく、太平洋岸経由で行われた可能性が高いとみています。

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