インドのモディ政権は、北東部シッキム州に中国が越境してから、残る回廊の維持に必死だ。「親中派の代表」パキスタンを迂回(うかい)した海路をイラン東端につなぎ、アフガニスタンへの鉄道を敷設する。
隣接するバングラデシュや、スリランカ、モルディブへの、中国の進出を警戒している。インドを囲む「真珠の首飾り」の外環を遠巻きにするため、日本や米国、オーストラリアと協議を重ねてきた。
ついにインドが動いた。
西部グジャラート州のカンドラ港から今年秋、パキスタン・カラチ沖合をスルーして、イラン南東部チャーバハール港に小麦1万5000トンを陸揚げし、それを内陸国家であるアフガニスタンの首都カブールに援助物資として届けたのだ。
ちなみに、グジャラート州は、モディ首相の出身地である。日本が大規模に肩入れしている「インド新幹線」は、同州の最大都市アーメダバードと、インド最大の都市ムンバイを結ぶ。
前出のカンドラ港から、チャーバハール港への海洋ルートは、従来の貿易ルートでは、細々とした物資の陸揚げしかなかった。だが、チャーバハール港からイランを北上すれば、アフガニスタンである。
インドからアフガニスタンへ向かう物資は、これまでほとんどパキスタンの最大都市カラチへ陸揚げされた。そこから、中国が支援する「中国・パキスタン経済回廊」(CPEC)を通じて、パキスタンの首都イスラマバードあたりで分岐し、アフガニスタンへ運ばれていた。
だからこそ、インドは「バイパス建設」に熱心なのだ。イラン・チャーバハール港開発プロジェクトに投資し、4つのバースを完成させた。
このチャーバハール港は440ヘクタール。これまでの年間取り扱い貨物は210万トン。インドが投じた開発投資は8500万ドル(95億8300万円)。チャーバハール港からイランを北上し、アフガニスタン南西部のザランジへ物資を運ぶルートを「インド-イラン-アフガン回廊」という。
また、チャーバハール港に隣接する工業団地に、インドは20億ドル(約2250億円)を投資して、鉄鋼プラントなどを立ち上げた。チャーバハール港の陸揚げ能力は、年間210万トンから850万トンに劇的な向上をみせている。
中国の「海のシルクロード」は、画に描いた餅のような趣になってきた。夕刊フジより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2017年12月23日土曜日
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