米国の韓半島(朝鮮半島)専門家、マイケル・グリーン・ジョージタウン大教授は「ドナルド・トランプ米国大統領が訪韓期間中に先制攻撃や予防的戦争のような強硬発言をする可能性は排除し難い」とし「これは進歩的な文在寅(ムン・ジェイン)政府と韓米同盟で葛藤を起こしかねず懸念される」と述べた。
ジョージ・Wブ・ッシュ大統領当時、ホワイトハウス国家安保会議(NSC)アジア担当上級補佐官を務めたグリーン氏は、現在、戦略国際問題研究所(CSIS)の上級副所長(アジア)と日本部長を兼任している。
グリーン氏は20日(現地時間)、中央日報とのインタビューで「トランプ大統領の訪韓は北朝鮮を『悪の枢軸(Axis of evil)』と表現した直後の2002年2月に行われたブッシュ大統領の訪韓とさまざまな側面で似ている」とし「当時もホワイトハウス内の強硬派は非武装地帯(DMZ)で『悪の枢軸』や『壁(休戦ライン)を崩さなければならない』という強硬発言は見送った」と回顧した。グリーン氏は文大統には「トランプ大統領に北朝鮮の核ミサイルの実験中断と韓米連合訓練の中断(双中断)交渉のような対話や包容政策を迫るのではなく、DMZに同行してトランプ大統領に韓米同盟と安保公約に対する堅固な約束をさせるのがよい」と助言した。
ブッシュ大統領とトランプ大統領の訪韓はどのような点で似ていているか。
「当時、保守的な米国大統領と韓国の進歩的な金大中(キム・デジュン)大統領は友好的な関係や連帯感を形成しにくい状況だった。両首脳は北朝鮮政策をめぐって対立していた。反面、ブッシュ大統領と小泉首相との関係は、最近のトランプ大統領と安倍晋三首相のように良好だった。北朝鮮政策をめぐっても難しい状況だった。金大中大統領は『ブッシュ大統領が北朝鮮を訪問して金正日(キム・ジョンイル)委員長に会うべきだ』と言って、強力な包容政策を要求した。また、金大統領はコリン・パウエル国務長官にも会ったが、パウエル長官が『クリントン政権の北朝鮮政策を継承する』とメディアに話し、ディック・チェイニー副大統領やドナルド・ラムズフェルド国防長官ら強硬派の批判で発言を取り下げることもあった。結局、金大中大統領が米国政府内の分裂を誘発したようなものだった」
ブッシュ大統領訪韓当時、都羅山(トラサン)駅を訪問したが。
「当時、ブッシュ大統領の演説最後の瞬間まで一部強硬派は『悪の枢軸』をもう一度言うべきだと主張したが、私とトーマス・ハーバード駐韓大使らが緊張を高めるおそれがあると言って止めた。その代わり、ブッシュ大統領は都羅山駅で『地雷畑と鉄条網の上でこれまでになく輝く太陽は北朝鮮に対する威嚇ではなく招待』と話した。また、記者会見で『北朝鮮を攻撃する意向もなく、政権交代も追求しない』と述べたところ、翌日韓国のすべての言論が1面のヘッドラインでこれを報じた。これを見てブッシュ大統領が『韓国人は私が本当に北朝鮮を攻撃すると思っているのか』と驚いていたことを思い出す」
トランプ大統領は国会演説でどのような話をするだろうか。
「トランプ大統領を説得することはブッシュ大統領よりもはるかに大変なことだろうと思う。知ってのとおり、彼は予測できない人物だ。トランプ国家安保チームは『北朝鮮が非核化交渉に出てこないなら、我々は戦争の準備ができている』という水準の強硬な発言まで準備している可能性もある。北朝鮮が先に挑発する場合、撃退するという防御的戦争(defensive war)や北朝鮮がもし核兵器を使う動きを見せるなら、先制攻撃もありうるといった水準の発言は大丈夫だ。だが、予防的な戦争(preventive war)に言及すれば、韓国民に大きな衝撃を与えて文在寅政府支持層の反発をまねき、韓国政府を非常に苦しい立場に立たせる可能性がある。これは韓米同盟に葛藤を呼ぶおそれがあるだけでなく、北朝鮮がこれを誤用するかもしれないため懸念される。だが、トランプ大統領が予防戦争を言及する可能性を排除できない。トランプ大統領の威嚇的な発言は、民主党やニューヨーク・タイムズの批判を受けるだろうが、逆に自身の政治的基盤からはドラマチックでタフだと言って支持を受ける」
トランプ大統領の今回の訪韓の本当の目的は何だと考えるか。
「ホワイトハウスは初めは訪韓はなく日本だけに行きたかったものと考える。しかし、多くの専門家が韓米同盟で強力な連帯を示さない場合、北朝鮮を抑えることはできないと説得して訪韓日程も含まれることになったと聞いた。結局、訪韓の第一目的は北朝鮮であることが明らかだ。第二の目的は米国国民のための経済イシューである韓米自由貿易協定(FTA)改正問題だ。両国がFTA改正交渉に進展があるというラインで話せるなら両国にとって最善だろう。そうではなく、訪韓期間、トランプ大統領がFTA脱退発言をするようなことがあれば、韓米同盟はより大きな危機に直面することになる」
今回のアジア歴訪の真の目的は訪日という意味か。
「私の言いたいことは、トランプ大統領は安倍首相が好きだという意味だ。安倍首相は理念的にトランプ大統領と近く、北朝鮮問題に対してはるかに強硬だ。私は文大統領が個人的に好きで尊敬しているが、彼は非常に温和な性分だ。トランプ大統領はこれを弱気と見ている。日本の場合、トランプ大統領が環太平洋経済連携協定(TPP)脱退を宣言した後、韓国のようにFTAのような再協議や大きな摩擦を起こすような事案がない」
文大統領に首脳会談に対して助言をするなら。
「トランプ大統領に北朝鮮を包容するべきだとか北朝鮮と首脳会談をするべきだというような説得しないでほしいと言いたい。米国はミサイル試験を凍結する代わりに韓米連合訓練を中断するいわゆる双中断(Freeze for Freeze)交渉をしないことだ。行政府はもちろん、議会も反対する。米国が北朝鮮と実務級接触をする時まで静かに待つほうがいい。その代わり、私は文大統領がトランプ大統領と一緒にDMZを訪問して『私は特殊戦司令部出身だ』と言って韓米連合訓練や米国の戦略資産の配備やロケット技術の移転などをテーマに話をして『一緒にやっていこう』と話すべきだと考える」
ヘンリー・キッシンジャー元国務長官が提案した中国とビッグディールの可能性は。
「キッシンジャー氏は常にその話をしてきた。だが、レックス・ティラーソン国務長官やジェームズ・マティス国防長官、ハーバート・マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)、ジョン・ケリー秘書室長に至るまで、政権内のプロフェッショナルな専門家は全員キッシンジャーの提案を拒否している。党大会以降、さらに強力で自信に満ちた中国の習近平主席もグランドバーゲニング(Grand Bargaining)の提案を受け入れる可能性はほぼない。ただし、9月21日の北朝鮮に対する金融制裁に関連して、先月ホワイトハウス側から聞いた話によると、最も協調的な国が日本、二番目が欧州連合、三番目は中国、韓国はその次だと聞いた。状況は変われるが、この部分は文在寅政府には問題になるだろう」 中央日報より
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2017年10月23日月曜日
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