2017年6月14日、韓国・ヘラルド経済は、韓国で年々増加している高齢者虐待の問題が、身体的・精神的虐待にとどまらず、放任・遺棄にまで広がっていると伝えた。
韓国で高齢者虐待に関する業務を担当する公共機関・中央老人保護専門機関がまとめた「2015年 高齢者虐待の現状」によると、韓国の高齢者虐待は06年に2274件だったものが15年には3818件になり、10年間で67.9%増加していた。
また、同機関が15年に申告を受けた事例のうち、実際に虐待が行われていた事例6154件をタイプ別に分析した結果、「精神的虐待」(37.9%)や「身体的虐待」(25.9%)が多かったものの、一方で「放任」(14.9% )、「遺棄」(0.8%)も決して少なくないことが分かった。「放任」は扶養義務者が一切の責任を拒否し、高齢者の衣食住や医療を提供しない行為を、「遺棄」は扶養義務者が高齢者を捨てる行為を指す。
記事は、こうした被害に遭った2人の高齢者の事例を紹介している。
80代の女性キムさんは、末息子に連れられてフィリピンに渡ったが、息子が兄たちに「母さんが死んだ」とうそをつき葬儀費用を受け取っていたことを知ったショックで倒れ、後に認知症の症状まで現れた。息子は衰えた老母を現地のモーテルに遺棄し逃げてしまった。
また、一人娘に連れられ米国に移住した60代後半の女性ハンさんは、医療保険制度が整っていない米国で認知症にかかった。娘は経済的に母を扶養できないと判断し、母を連れて韓国に戻ったが、ソウルの仁川(インチョン)空港にそのまま置き去りに。ハンさんは空港で「母をソウルの老人ホームに送ってほしい」と書かれた名札を着け一人さまよっていたという。現在、ハンさんは無縁基礎生活受給者に指定され、保護施設で生活している。
この報道を受け、韓国のネットユーザーからは「自分の老後は自分でなんとかせねばならないようだ」「今のように世知辛い世の中、子どもには頼れない」「子どもの教育費に全財産を使ってしまったら、老後は悲惨だ」「子どもは老後の保険ではない」「老後に備えておかねば」など、自身の老後に不安の声が多く寄せられた。
また、「行いはブーメランになって自分に返ってくる」「昔はこんなことはなかったのに」など、変わってしまった社会や虐待を嘆く声もあった。 レコードチャイナより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
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