伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)の首脳宣言で、経済面でも安全保障面でも矢面に立たされた中国。味方と思っていた英国やドイツにも裏切られ、G7(先進7カ国)からの「最後通告」を突き付けられた習近平政権は、焦りの色を隠せない。
安倍晋三首相がサミットの経済討議で「リーマン・ショック級の危機」と強調したのは、中国の経済失速を念頭に置いたものだった。
英国から「悲観的すぎる」と異論が出たこともあり、首脳宣言では「下方リスクが高まってきている」とやや弱まった一方、「工業部門、特に鉄鋼における世界的な過剰生産能力は、世界的な影響を伴う差し迫った構造的課題」と中国に対する強い表現でまとまった。
サミットと歩調を合わせて、米国際貿易委員会(ITC)は、中国の鉄鋼大手40社を対象に輸入と米国内の販売差し止めを求めた米企業の訴えを受け、関税法337条に基づく調査開始を決めたと発表した。
首脳宣言ではまた、中国の一方的な海洋進出を念頭に「東シナ海・南シナ海の状況を懸念」と明記した。
習政権は英国やドイツに巨額投資を約束し、アジアインフラ投資銀行(AIIB)にも参加させるなど、G7を切り崩したはずだったが、英国やドイツも味方してくれなかった。
中国外務省の華春瑩副報道局長は27日の記者会見で、「日本とG7のやり方に強烈な不満を表明する」と批判。議長国を務めた日本に対し「サミットを主催し、南シナ海問題をあおり立て、緊張を高めた」と反発し、南シナ海での軍事施設建設などは「完全に主権の範囲内だ」と身勝手な言い分を繰り返すほかなかった。
中国は9月に杭州市で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議の方がG7より重要な会議だと主張する。王毅外相は「G20は先進国と途上国が対等な立場で同じテーブルを囲み、平等に協議して決める場であり、時代の発展の潮流に合致している」と強調するが、内実は伴うのか。
夕刊フジより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2016年5月29日日曜日
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