2016年5月29日日曜日

ベトナムへ円借款供与

安倍晋三首相は28日、ベトナムのグエン・スアン・フック首相と首相官邸で会談し、同国のインフラ整備への支援を強化する方針を伝えた。ホーチミン市の都市鉄道計画に約901億円の円借款を供与する。中国が軍事拠点化を進める南シナ海問題を念頭に、海洋安全保障分野で協力を強化する方針も確認した。

会談を前にベトナムのフック首相(左)と握手する安倍首相(28日午後、首相官邸)
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会談を前にベトナムのフック首相(左)と握手する安倍首相(28日午後、首相官邸)
安倍首相は会談後の共同記者発表で「海上での法の支配の実現のため、ベトナムの海上法執行能力の強化に協力する」と強調。ベトナムへの新造巡視船供与に向けた調査を急ぐ考えも表明した。

4月に就任したフック氏との会談は初めて。フック氏は27日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)拡大会合に合わせて来日した。ベトナムは南シナ海の西沙(英語名パラセル)、南沙(同スプラトリー)の両諸島で中国と領有権を争っており、日越の関係強化を通じて中国をけん制する狙いがある。

フック氏は安倍首相が掲げる「質の高いインフラ投資」を高く評価し「両国関係をさらに信頼できる関係に格上げしていく」と語った。安倍首相はベトナムの干ばつや塩害対策として250万ドルの緊急無償資金協力を実施することも発表した。

安倍首相はフック氏との会談に先立ち、名古屋市内で東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国のラオスのトンルン首相とも会談し、南シナ海情勢で意見交換した。  日経新聞より

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