2016年5月1日日曜日

アファール猿人

東アフリカ・ケニアの首都ナイロビの郊外で、日本とケニアの研究グループが350万年前に生きた猿人の化石を発見し、国際的な人類進化学誌に発表しました。

東アフリカでは猿人を含む人類の化石が各地で見つかっていますが、大地溝帯の東側に位置する標高の高い場所での発見は初めてで、猿人の環境適応能力の高さを示すものだと言います。

化石が見つかったのは、ナイロビの中心部から直線距離で15㌔㍍ほどのところにあるオンガタ・ロンガイ地区のカンティスです。ナイロビのベットタウンとして宅地開発が進んでおり、化石が見つかった場所の近くにも宅地が迫っています。

2009年、ケニア国立博物館が動物の化石に住民が動物の化石を持ち込んだことから、発掘調査が始まりました。京都大学の中務教授は学生時代からケニアで人類が出現する以前から類人猿の研究を行っていて、ケニア国立博物館の研究者とも交流があったことから調査に加わりました。

これまでの発掘調査で、カバ等の大型動物のものを含め、動物の化石が約700個見つかりました。12年には明らかに人類のものであることを示す化石が見つかり、研究者を驚かせました。人類の化石が見つかるとは思っていなかった場所だったからです。

見つかったのは、子どもの下あご第1乳臼歯が2個、大人の男性の左腕の尺骨が1個見つかっています。乳臼歯は全く同じ部位である事から別人のものと分かりましたが、犬歯と尺骨は同一人物のものの可能性があることから、少なくとも2人の乳児と1人の成人男性に由来すると考えられます。

化石が見つかった地層は、含まれている放射能ウランを使った年代測定や古地磁気から350万年前と決定されました。

この年代に生きていた人類として、アウストラロピテクス・アハァレンシスやケニアントロプス・プラティオプスが知られています。

研究グループが、アファール猿人の直系の祖先と考えられるアウストラロピテクス・アナメンシスを含め、他の人類のものと比較検討した結果、今回見つかったアファール猿人と考えてよいことが分かったと言います。

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