米軍が南シナ海で、中国への軍事的圧力を強めている。米海軍の事実上の拠点であるフィリピン・スービック湾に近く、領有権問題があるスカボロー礁(中国名・黄岩島)で中国が測量を始めるなど、軍事基地化の構えを見せているからだ。米軍はA10攻撃機などを連日のように警戒監視させている。米中が軍事衝突する可能性が出てきた。
「非常に深刻に受け止めている。(埋め立てと軍事拠点化は)軍事衝突を引き起こし得る」「そうした懸念があるため、われわれはフィリピンと取り組み、軍事施設を構築し態勢を強化するようにしている」
カーター米国防長官は28日、上院軍事委員会の公聴会で、中国がスカボロー礁を埋め立てる可能性について、強い懸念を示した。
スカボロー礁はフィリピン北部ルソン島の約200キロ西にあり、中国が実効支配している岩礁や人工島の中で、米軍が利用している旧米海軍基地のスービック湾や、クラーク旧米空軍基地などに最も近い。
米海軍のジョン・リチャードソン作戦部長は今年3月、中国艦船が同礁周辺で測量を行っていることを指摘し、「新たな人工島を造成するための埋め立ての前兆だ」とみていることを明らかにした。
中国の挑発行為を黙ってみている米軍ではない。
米太平洋空軍は29日までに、スカボロー礁近くの上空を、今月19日から21日にかけて米軍のA10攻撃機(サンダーボルトII)4機と、HH60救難ヘリ2機が警戒監視のため飛行したと発表した。A10は米軍が「航行の自由」作戦を実施している地域での軍事力補強のためで、数週間、同様の飛行を続ける。
A10は冷戦時代、ソ連軍機甲部隊を食い止めるべく開発された対地攻撃専用機で、「最強の地上攻撃機」と呼ばれる。湾岸戦争などで大活躍した。中国の測量・埋め立てへの強烈な牽制になるとみられる。
これに対し、中国国防省の呉謙報道官は28日の定例記者会見で、「中国に対する政治的、軍事的な挑発であり、不測の事態を招きやすく危険だ。海空で監視を続け必要な措置を取る」と批判した。
オバマ米大統領の残り任期が来年1月に迫るなか、中国は「軍事的衝突を避ける傾向があるオバマ氏のうちに、南シナ海の支配力を強化する」と考えているフシがある。
史上最強の米軍としては、これ以上、中国に好き勝手させるわけにはいかず、「関係国やアジア太平洋地域の安定化に向けて、公海での航行や公海上空の飛行の安全性を促進する」(米太平洋空軍)としている。 夕刊フジより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2016年5月1日日曜日
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