韓国大法院(最高裁)が日本企業に元徴用工への賠償を命じた判決について、安倍晋三首相は1日の衆院予算委員会で「国際裁判も含め、あらゆる選択肢を視野に入れて毅然(きぜん)と対応していく」と語った。菅義偉官房長官も1日の記者会見で韓国の徴用工訴訟に関連する日本企業に説明会を開いていると説明。日本政府は対応を本格化させている。
首相は、元徴用工への賠償については1965年の日韓請求権協定で解決済みだとし、判決について「国際法にただせば、あり得ない」と改めて批判した。今回の原告にも言及。当時の労務動員の方法として「募集」「官あっせん」「徴用」があったとし、原告4人は「いずれも募集に応じた」と説明した。
菅氏は会見で、徴用工訴訟で被告になっている日本企業に対し、「政府の一貫した立場を説明している」と述べた。具体的な内容は明らかにしなかったが、日韓請求権協定で解決済みという日本政府の立場や、日本企業に不利益が出ないように韓国政府に求めていることなどを説明しているとみられる。
また、自民党政務調査会などは1日、日韓請求権協定に紛争解決手続きとして定められた協議や仲裁の手続きに速やかに入るよう求める決議を採択し、河野太郎外相に提出。日韓議員連盟会長の額賀福志郎元財務相も1日、「韓国政府は自主的に司法を含めた日韓請求権協定違反、すなわち『国際法違反』の状態を是正してほしい」とする談話を発表した。
日本政府としては今後、韓国政府の対応を見極める構えだが、それが不十分だった場合、日韓請求権協定に基づいて解決をめざすとみられる。協定では、両国に紛争が起きた際は協議による解決を図り、解決しない場合は「仲裁」という手続きが定められている。
仲裁は「仲裁委員会」が行う。委員は日韓両政府が1人ずつ任命し、その2人の委員と第三国の委員の計3人で構成する。両政府は委員会の決定に従うとも定められている。
ただ、日韓請求権協定に基づく協議や仲裁は前例がない。日本外務省幹部は「韓国側の合意が必要で非常に難しい」と話す。yahooニュースより
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2018年11月1日木曜日
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