2018年11月27日火曜日

韓国政府の経済失政、なぜ民間カード会社が責任を負うのか

韓国政府が最低賃金引き上げなどで困難に陥った中小企業経営者や自営業者を支援するため、クレジットカード手数料を年間1兆4000億ウォン(約1400億円)削減する方策を打ち出した。今後ホテル、百貨店、大企業などを除く事実上ほとんどの加盟店が適用を受ける。大統領が先週、「カード手数料の負担軽減策をまとめろ」と催促すると、すぐ翌日に金融委員長がクレジットカード会社の社長らを緊急招集。そして4日後に対策が発表された。多くの利害関係がぶつかり合う政策をこんな具合に発表してもよいものか。

今回の措置でクレジットカード8社は、昨年の減益幅よりも大幅な収益減を被る。政府が民間企業に赤字を強要するというようなことがあってよいのか。政府はカード会社にマーケティング費用を削減しろと言う。しかし、マーケティング費用とはポイントや無利子の分割払いなど消費者への恩恵につながるものだ。結局は消費者の損失に帰結してしまう。今回の騒動は政府の所得主導政策が失敗し、副作用が発生したことで、カード会社と消費者にその負担を転嫁したものだ。所得主導の副作用を国民の税金で埋めてきたが、それがカード会社にまで拡大した。カード会社は収益悪化で人員を削減するかもしれない。カード会社の労組は既に闘争の意向を示している。

現政権が発足後、計画経済同然の人為的な価格統制政策が相次いでいる。通信料金、実損補償型保険料、フライドチキンの値段を下げ、米価は引き上げた。政府の価格介入は当面は大衆の人気を集めるかもしれないが、市場を歪め、さらに大きな問題を引き起こす。それが別の問題を呼ぶ連鎖効果が生まれる。低所得層のためだという最低賃金の急激な引き上げで雇用が消えた。雇用情勢が悪化したことで、低所得層の所得が減り、所得分配がさらに悪化した。副作用が副作用を呼ぶ連鎖反応だ。

市場の失敗は政府が一定部分を補完でき、実際にそうすべき部分もある。しかし、現政権で起きている事柄は市場の失敗ではなく、政府の失敗だ。逆行する経済政策で政府が過ちを犯しておいて、その責任を民間に押し付けるのか。朝鮮日報より

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