中国、インド、インドネシアなどの景気拡大を背景に、こうした資産は過去数年間、順調に上昇していた。
しかしアジア諸国の債務増大、米財政政策の引き締め、米中貿易摩擦などを嫌って投資家は原油やアジア株から資金を引き揚げ、ドルなどの安全資産にシフトしている。
この一環として、原油先物価格
原油先物からは数十億ドルの資金が流出。ANZバンクの26日のノートによると、原油先物の買い越しが「3年ぶりの低水準まで削減されたと報告されている」
しかもトレーダーは、さらなる原油安に備えているようだ。取引所のデータによると、米原油先物の期近物の売りポジションは、7月には1万4100ロット(1ロットは1000バレル)と過去最低に近かったが、11月半ばには約11万ロットに増えた。これは2017年10月以来で最大だ。
その上、北海ブレント油先物2月きりのオプション取引では、1バレル=55ドルおよび50ドルのプット(売る権利)が急増。これらプットの価格も急上昇している。
こうした悲観ムードはアジア市場全体で観察される。
モルガン・スタンレーは25日のノートで「2018年はアジア(特に中国)の金融環境が引き締まったことにより、10年にわたるアジアの強気相場が明らかに終わった」とし、「まだサイクルの底には達していない」との見方を示した。
JPモルガンも23日、「米国および世界株の下落により、リスクバランスが明らかに下方向にシフトした」と指摘した。株式と足並みをそろえ、原油や鉄鉱石、金属などコモディティ価格が下がっているのは心配だという。
金融市場だけでなく、国際貿易にも減速の兆しが生じている。コンテナ船
シンガポールの海運商社イーストポートは26日、「米景気の減速がアジアからの輸出需要を衰えさせ、貨物輸送を圧迫する可能性がある」との見方を示した。大紀元日本より
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