日本政府が、防衛力の本格強化に乗り出したようだ。
最新鋭ステルス戦闘機F35「ライトニングII」を、米国から最大100機追加購入する検討に入ったと、複数メディアが報じたのだ。実現すれば、導入予定のF35と合わせて140機体制となる。空母化(多用途母艦化)が浮上した海上自衛隊最大のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」への搭載も現実味を帯びてきた。中国が3隻目の空母建造を公表するなど軍事的覇権を強めるなか、国民の生命と安全や、沖縄県・尖閣諸島などの領土を断固として守る態勢を整える。
「せっかくある装備なので、できるだけ多用途に使っていくことが望ましい」
岩屋毅防衛相は27日の記者会見でこう述べ、海上自衛隊の「いずも」型護衛艦を空母化するよう改修し、短距離滑走での離陸と垂直着陸が可能なF35Bを運用することに前向きな姿勢を示した。
政府が来月に策定する新たな「防衛計画の大綱」には、「艦艇からの航空機の運用の検討」と明記することが検討されている。F35Bの導入についても、岩屋氏は「短い滑走路で離陸できる性能を持った航空機だ。航空機体系全体をどうするかの1つとして検討している」と話した。
これに関連し、日本経済新聞は27日の夕刊で、「政府がF35を米国から最大100機追加取得する検討に入った」と伝えた。ロイター通信も同日、「与党内では、F35のA・B型を計100機購入する案が浮上」と報じた。
F35は高いステルス性能に加え、味方との間で敵情報を共有できるネットワーク機能が最大の特徴となっている。自分のレーダーでは見えない敵機が、連携する味方のレーダーに映っている場合でも、自分の目で見ているような状態で攻撃する使用方法が想定される。
空軍仕様のA型、短距離滑走での離陸と垂直着陸が可能な海兵隊仕様のB型、艦載機型のC型に分かれる。このうち、日本ではAタイプが今年、航空自衛隊三沢基地に配備され、政府は計42機の導入を決定している。
F35の100機導入が決まれば、日本は計142機のF35を運用することになる。ロイターの記事には、追加購入となる100機の内訳について、「与党議員の中では、F35のA型を60機、B型を40機の購入が望ましいと主張する声がある」としている。
100機の取得額は1兆円超というが、対日貿易赤字に悩む米国は日本に防衛装備品の購入を求めている。来年1月の日米通商交渉を見据え、日本にとって有力なカードとなり得る。
いずもの空母化、F35の大量導入には、左派野党やメディアを中心に反発の声が上がるのは必至だが、日本の安全保障環境を考えると、踏み切らざるを得ない事情がある。
東・南シナ海への野望を燃やす中国の存在だ。
中国国営の新華社通信が最近、中国軍の3隻目となる新型空母について「建造中」と伝えたのだ。中国は国策である「海洋強国」建設に向け、空母開発を加速させており、将来的には4隻以上の空母運用を目指しているとされる。
現在、尖閣諸島の防空は、沖縄の那覇基地にあるF15戦闘機が当たっているが、到達まで約30分かかるとされる。中国空母が東シナ海に展開すれば、わが国の尖閣諸島の実効支配が揺らぎかねない。日本にとって、決して座視できない動きといえる。
こうしたなか、F35の140機体制は、どんな効果があるのか。
評論家で軍事ジャーナリストの潮匡人氏は「尖閣防衛を考えれば、現在のF15で対処するより、最新鋭ステルス戦闘機であるF35の導入は安心できる」といい、続けた。
「中国は、装備品でもミサイルでも数の力を誇る傾向があるので、ネットワークでつながることのできるF35は、数に頼る中国に対抗できる。F35Bの導入数によっては、いずも1隻の空母化という話ではなく、本格的な空母の保有、新たな建造を含めた動きになっていくのではないか。例えば、仮に20機ということになれば、飛行隊が形成できる数になるので、お試し的な話ではなくなる。中国にとっては、目の前の敵が米軍と思っていたのに、そうではなくなる。高い抑止力になる」夕刊フジより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2018年11月29日木曜日
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