2018年11月28日水曜日

鉄鋼中の水素が結晶構造変化を抑制 九州大学と九州工業大学が発見

九州大学と九州工業大学の研究グループは、立方晶fcc(面心立方格子)構造を有する鉄鋼において、水素含有量が増加するほど立方晶hcp(六方最密構造)相の生成が抑制されることを世界で初めて発見した。

鉄鋼の強さと機能性は、結晶構造によって変化し、結晶構造は、鉄に添加する元素の種類や量によって変わる。従来、水素はfcc→hcp結晶構造変化を「促進」することが定説となっていた。

しかし本研究では、水素を含ませた鋼材の挙動調査で、水素がfcc→hcp結晶構造変化を「顕著に抑制」することを発見。水素の含有量を調整した試料を冷却しながらhcp相分率を測定したところ、試料中の水素量が多いほどhcp相分率が増加せず、fcc-hcp変態が抑制されていることがわかったという。これは世界で初めて観測された現象であり、これまでの常識を打ち破るものだ。

水素の含有量の増加でfcc-hcp変態が抑制された原因については、引張試験の結果から摩擦応力の増大が示唆された。また先行研究の理論計算からは、fcc相の熱力学的な安定化が報告されているといい、これらが主原因と考えられている。

水素は次世代のクリーンなエネルギー源として積極的な利用が検討され、同時に水素環境に適合したインフラの整備も進められている。しかし、水素は金属材料を脆くする(水素脆化)性質があり、課題とされてきた。

水素脆化に影響することが知られるfcc-hcp変態を、鉄鋼に溶け込んだ水素が顕著に抑制することを見出したこの成果は、水素脆性メカニズム解明に対しても新しい知見を与えることが期待される。さらには水素関連施設に使用される鋼材の高品質化・高強度化に向けた研究開発に貢献することが期待される。大学ジャーナルオンラインより

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