最悪のリスクとは何か。ラムズフェルド元米国防長官の有名な分析によると「分からないという事実も分からない(Unknown Unknown)」リスクだ。分かる危機には対応できるが、分からなければそのままやられるしかない。
経済難と北朝鮮問題のために自失している最近の韓国がまさにそのような姿だ。国外で危機状況が発生しても気づかない。それは「日中連合」という前例のない現象で1カ月前に実体を表した。
強制徴用判決が出る5日前の先月25日、安倍晋三首相は2012年の就任後、初めて中国を訪問した。そして翌日、習近平主席との会談で互いに協力することで合意した。ここまでは平凡な海外訪問だ。
しかし今回の訪中には会心の日程が隠されていた。忙しい日程の中、安倍首相は同行した日本の財界人およそ200人と特別な会議に出席した。「第1回日中第3国市場協力フォーラム」だ。両国が手を握って世界各地の事業に共同で進出するという。目を引くのは両国がすでに成果を出している点だ。この日に紹介された成功事例は太陽光事業としては過去最大という8000億ウォン(約800億円)規模のドバイ発電所プロジェクト。日本総合商社の丸紅と中国新生企業ジンコソーラーのコンソーシアムは欧米企業を抑えて受注した。韓国では韓電とハンファQセルズがチームを組んで参加したが、最も低い6位に終わった。さらに衝撃的な事実は、日中が世界およそ50カ国で提携することにした点だ。いまや韓国の建設・新生エネルギー企業は「日中連合軍」という恐竜と戦うことになった。
2008年の世界金融危機以降、日本では韓国企業と協力する雰囲気が形成された。韓国に対する評判が良くなり、大規模な韓国企業と提携して第3国に進出するのがさまざまな面でプラスになるという認識が広まった。インドネシアのガス事業など50件以上の韓日協力事業が実現したのもこうした流れのためだった。
しかし最近は日本の雰囲気がすっかり変わった。韓日協力は見えず、日中協力の話ばかりだ。巨大な「一帯一路」事業のために日本の資本が必要な中国と、トランプの保護主義のため新しい市場が必要な日本の思惑が一致した結果だ。
このため日本政府は年初、これまで進めてきたアフリカのインフラ開発に中国の参加を要請し、前向きな返答を受けた。中国各省が取り組む環境事業にも日本の企業が参加している。領土紛争と過去の問題でいつも敵対する中国と日本だった。しかし国際政治では永遠の敵も同志もない。現在のような雰囲気なら日中連合軍が強大になるのは時間の問題だ。
こうした危機は韓国が自ら招いた側面が大きい。昨年、慰安婦合意を破ったことで韓日間の感情は悪化するだけ悪化した。先月末の強制徴用判決に続き、21日に発表された和解・癒やし財団の解散は、揺れる両国関係に決定打となった。さらに29日に予定された三菱重工業の強制徴用および勤労挺身隊訴訟で同じ趣旨の判決が出れば、直接投資はもちろん、韓日間の第3国協力事業まで減るのは間違いない。
韓国国内の日本企業の反発が予想より激しくなかったため「茶碗の中の台風」に終わるという期待を込めた予測もないわけではない。しかしこれは大きな錯覚だ。目の前で起きている日中間の密着が本当の後遺症だ。慰安婦および強制徴用判決に関連し、日本も納得する折衷案を一日も早く見いださなければいけない決定的な理由はここにもある。
中央日報より
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2018年11月27日火曜日
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