去年11月、北海道松前町沖の島に北朝鮮の木造船が漂着して船長ら10人が上陸し家電製品などが盗まれた事件で、乗組員のうち病院で治療を受けた1人の医療費が630万円余りに上ることがNHKが海上保安本部に行った情報公開請求でわかりました。木造船の漂着はことしも相次ぎ、専門家は監視活動のあり方など議論が求められていると指摘しています。
去年11月28日、北海道松前町沖の無人島「松前小島」に北朝鮮の木造船が漂着しているのが見つかり、船長の男が島にあった発電機や家電製品などを盗んだとして、執行猶予の付いた有罪判決を受け乗っていた10人全員が強制送還されました。
この事件では、乗組員の1人が胃潰瘍と診断されて道内の病院で治療を受けましたが、その際の医療費が631万円に上ることが、NHKが第1管区海上保安本部に行った情報公開請求でわかりました。
関係者によりますと、この費用は日本側が立て替えたままで弁済のめどもたっていません。
海上保安庁によりますと、ことし日本の沿岸で朝鮮半島からとみられる木造船が漂流や漂着したのが確認されたのは、イカ漁の最盛期である夏以降に台風の接近が相次いだことなどから27日正午現在で155件と過去最多となっています。
この事件では、乗組員の1人が胃潰瘍と診断されて道内の病院で治療を受けましたが、その際の医療費が631万円に上ることが、NHKが第1管区海上保安本部に行った情報公開請求でわかりました。
関係者によりますと、この費用は日本側が立て替えたままで弁済のめどもたっていません。
海上保安庁によりますと、ことし日本の沿岸で朝鮮半島からとみられる木造船が漂流や漂着したのが確認されたのは、イカ漁の最盛期である夏以降に台風の接近が相次いだことなどから27日正午現在で155件と過去最多となっています。
専門家「警戒と監視の強化を」
北朝鮮の経済に詳しい新潟市の民間のシンクタンク、環日本海経済研究所の三村光弘主任研究員は「北朝鮮ではここ数年、国内経済や食料事情が改善し、貴重なたんぱく源としてイカの需要が高まっている。国も水産に力を入れていて漁業者がイカの群れを追って北海道沖まで来るようになったと推測される。今の経済状況からすると水産物の需要はこれからも高まっていき、イカがとれる限り、違法操業は続くだろう」と分析しています。
また、木造船の漂着に伴う損害を日本側が負担している状況については「北朝鮮と国交がなく、負担を求める実質的なすべが存在しない。国の財政が厳しさを増す中で、北朝鮮の船が入ってこないよう海上保安庁や水産庁の人員・船舶を増やし、警戒・監視活動を強化することについて国民的な議論が求められている」と話しています。
また、木造船の漂着に伴う損害を日本側が負担している状況については「北朝鮮と国交がなく、負担を求める実質的なすべが存在しない。国の財政が厳しさを増す中で、北朝鮮の船が入ってこないよう海上保安庁や水産庁の人員・船舶を増やし、警戒・監視活動を強化することについて国民的な議論が求められている」と話しています。
NHK NEWS WEBより
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