5階建てのビルの看板が日本のひらがな・カタカナだらけだ。「焼とり」「あまざけ」などの飲食ほか、日立・ドコモ・フジなど日本企業の名前も見える。外壁は空色のタイル、木造の軒の下には白熱灯が灯っている。ソウルの都心にある日本飲食店「○○倶楽部」の外見だ。建物のデザインと看板の字体すべてが「倶楽部」という名前に似合うよう「昔」っぽい。
中央日報は2日、「日本にハマる韓国」という企画記事で、最近の韓国社会に広がる「新日流」を報道したが、ちょうど前日の海外メディアには日本政府観光局の関連発表があった。今年1-2月に日本を訪問した外国人は韓国人が最も多かったという内容だ。昨年までは中国が1位だった。日本の領土でも韓国の領土でも日本にハマっている韓国人がかなり多いということだ。それはよいだろう。韓国人に帰化した保坂祐二世宗大教授の言葉のように「日本に対して歴史的によくない感情を抱いていても、良いものは隠さず楽しむほど韓国人の意識水準が成熟した」と評価しよう。
しかし印刷された朝刊の新聞を広げながら、一方で苦々しさを感じた。どうしてよりによって「倶楽部」なのか。そういえば「京城」が入った日本飲食店も少なくなかった。ともに日帝強占期時代の用語だ。倶楽部はclubを日本式に発音したものだ。ソウルが京城だった時代、多くの倶楽部があった。このような名前の飲食店は建物内外のデザインでその時代を連想させる。ネイバー地図に「倶楽部」という言葉を入れてみると首都圏だけで60カ所以上も検索された。ほとんどが日本飲食店だ。
おそらく日本の飲食品と過去の郷愁を混ぜ合わせようというマーケティング戦略だろう。しかしその時代の「郷愁」を誰が感じたいと思うだろうか。その時代を生きなければならなかった人々には郷愁ではなく恥辱的でつらい記憶の言葉であっただろう。ひょっとして韓国を訪れる日本人観光客の郷愁を刺激しようということなのか。
日本から始まって韓国に入ってきた企業のロッテがロッテワールドモールの食堂街に過去の時代の電車や人力車を飾る「郷愁マーケティング」を使うが、そこには日本語の装飾や「倶楽部」はない。
従業員に「客に日本人観光客はいるのか」と尋ねた。「日本人観光客はなく、ほとんどが20-40代の韓国人」という返答だった。いくら日本の料理がおいしく、文化がよくても、日帝強占期の郷愁を呼び起こす浅はかな商法は少しやり過ぎという感じだ。
中央日報より
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2018年4月3日火曜日
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