東芝は、半導体メモリー子会社「東芝メモリ」を米ファンドなどに売却する計画について、5月末までに独占禁止法の審査で中国当局の承認が得られなければ売却を中止する方針を固めた。既に債務超過を解消しており、売却の必要性は乏しいと判断した。中止の場合、必要な設備投資資金を確保するため東芝メモリの新規株式公開(IPO)を検討する。
東芝は昨年9月、米ファンドのベインキャピタルが主導する「日米韓連合」に東芝メモリを2兆円で売却する契約を締結。今年3月末までの売却を目指した。しかし、売却の前提となる各国の独禁法審査で中国が難色を示し、売却に遅れが生じていた。
このため東芝は車谷暢昭(のぶあき)会長兼最高経営責任者(CEO)を中心に対応を協議。売却が遅れれば東芝メモリの競争力が損なわれる恐れがあり、売却中止を選択肢に加えた。ただ、東芝は「(契約で)義務を果たす」とも説明しており、5月末までに中国が承認すれば予定通り売却する方針だ。
東芝は2017年3月期に債務超過に転落。財務体質の改善に向けて東芝メモリの売却を決めたが、昨年12月に実施した6000億円の増資などで債務超過を解消。経営の自由度が高まり、銀行団から売却中止を容認する声も出ていた。
東芝メモリは東芝全体の営業利益の9割近くを稼ぎ出してきた。仮に売却せず、IPO実施後もグループ内にとどまれば、経営再建に大きな影響を与えそうだ。毎日新聞より
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2018年4月24日火曜日
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