2018年4月27日金曜日

米朝の偶発的軍事衝突も…現憲法では国民を守れず

私は米朝首脳会談が行われないか、物別れに終わっても、米国がすぐ北朝鮮に軍事攻撃を加えることは、まずないと思う。すると、ここしばらく、手に汗を握るような朝鮮半島危機が、続いていくことになる。
 
日本としては「平和の惰眠」を貪(むさぼ)ることから目覚めて、ミサイル迎撃システムを強化し、敵基地を攻撃する能力を整備して、鬼の居ぬ間に大急ぎで(日本の)洗濯に励むべきである。

ドナルド・トランプ米大統領は「北朝鮮が、弾道ミサイルの発射実験をするか、核実験を行ったら、軍事攻撃を加える」と脅しながら、北朝鮮に対して海上封鎖を行うことになろう。かつて、1962年のキューバ・ミサイル危機に当たって、ケネディ政権がキューバに対して海上封鎖を断行して、成功した前例があるから、米国民は喝采しよう。

そうなると、米国と北朝鮮の間で、偶発的な軍事衝突が起こる可能性が高まろう。

米国はその場合、日本に相当な被害が生じても、北朝鮮に全面攻撃を加えることになる。日本という肉を斬らせて、北朝鮮という骨を断つのだ。

1年ほど前に、ペンタゴン(米国防総省)のアドバイザーが来日したとき、私の事務所を訪れて、「われわれが北朝鮮を攻撃すれば、金正恩(キム・ジョンウン)政権はメンツにかけて、必ず韓国、日本に攻撃を加えよう。日本に飛来する第1波のミサイルをすべて迎撃して破壊することはできないから、日本は耐えてもらうほかない。しかし、第2波は決して撃たせないから安心してほしい」といった。

現状では、日本は、北朝鮮が日本に向けて発射してくる、多数の弾道弾に対して、国民を守る能力はまったくない。PAC3ミサイル迎撃ミサイル・システムが、北海道から沖縄まで17部隊に配備されているだけだ。

日本を守るためには、米国に縋(すが)るほかないのだ。

日本国憲法は「平和憲法」と呼ばれているが、もともと米国が占領下で、「米国の平和」のために日本に押し付けたものだ。私たちは「日本の平和」を守るためには、まったく役に立たないことを、悟らなければならない。

それにしても、どうして原水爆禁止日本協議会(原水協)の諸兄姉が立ち上がって、ミサイル迎撃システムを増強することを、政府に強く要求しないのだろうか。夕刊フジより

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