2018年4月29日日曜日

韓国は米国なしで生き残ることはできるのか

今週の南北首脳会談を皮切りに始まる米国と北朝鮮、北朝鮮と中国など一連の首脳クラスの往来は、韓半島(朝鮮半島)の未来と運命に重大な変化をもたらされることを予告している。それが韓国にとって望ましい方向か、不吉な前兆なのかは分からないが、一つはっきりしていることがある。それは韓国における米国の役割と機能が終わり、韓国が北朝鮮、中国、日本などとの争いを迫られることだ。韓国は米国なしの争いで生き残る方策を自ら見つけなければならない。

北朝鮮が核を廃棄するかどうかは現時点ではっきりしないが、核を放棄するならば平和体制、米国との関係正常化を求めるはずであり、それは在韓米軍の撤退につながる。北朝鮮が核廃棄を拒否すれば、米国の経済的または軍事的なオプションが後に続くはずで、北朝鮮は破局を免れない。どの場合であれ、在韓米軍の役割と機能は終了する。

中国は既に以前から北朝鮮が衛星国として生き残り、韓国が米国を失った一匹狼になれば、結果的に韓半島全体が中国の影響下に入ると期待してきた。中国が東アジアに君臨する上で、韓半島南部に陣を張る米軍の存在は常に邪魔だった。

韓国はどうか。文在寅(ムン・ジェイン)政権は少なくとも表面的には在韓米軍問題に保留的な立場だ。しかし、米軍撤退、平和協定締結などを求める反米勢力の活動は文在寅政権にとっては当然「自分たちが描く世の中」に出会った感覚だ。左派は「北朝鮮に非核化を求めるならば、少なくとも米朝関係の改善、在韓米軍の撤退程度は必要ではないか」という論理を公に唱えている。

こうした状況で米トランプ大統領はどんな選択をするだろうか。トランプ大統領は基本的に米国が「世界の警察」として振る舞うことにブレーキをかけている人物だ。支援を受ける国が経費を出して頼ってくるならばまだしも、自国のカネで駐留し、さらには周辺国全てが反対し、駐留国でまで反米デモが起きても米軍駐留にこだわる戦略家ではない。また、「戦争狂」に囲まれた危険地帯(韓国)になぜ、何のために3万人余りの米軍の生命を放置しなければならないのかという世論が米国内にある。もしかして在韓米軍は「商売人」トランプにとって、商談の材料にすぎないかもしれない。

在韓米軍がいなくても、韓米関係まで破局に向かうわけではないという見方がある。しかし、米軍がいなくなれば、大韓民国が北朝鮮、中国、そして逆説的には日本による勢力範囲、戦場、取引の場にならないという保証はない。特に北朝鮮を再起させられずに焦る勢力、機会主義的な親北派-親中派、理念的共産主義者、感傷的なリベラル、そしてそれを網羅した左派政治がうごめく状況では、米軍撤退は韓米関係の後退につながることが明らかだ。

韓国は第2次世界大戦以降、米国に手を引かれ、中国と日本のくびきから脱し、世界へと踏み出すことができた。数千年にわたり、我々は卑屈に暮らしてきた。中国の属国として、日本の植民地として、そして事大主義者による搾取に苦しみながら生きてきた。韓国は米国のおかげでそこから脱した。その後70年はこの地の5000年の歴史で最も豊かに暮らし、最も自由で民主的で、最も活気に満ちた時期だった。

韓国は米国の助けを受けたが、米国によって主権を侵害されたことや国土の割譲を迫られたことはない。韓国は植民地から解放された国の中で最も早期に民主主義を成熟させ、市場経済を定着させた唯一の国だった。韓国人はさらに高い知識を得るため、米国の大学に向かい、英語を磨き、米国文化に接した。米国と取引を行い、市場とビジネスを学び、技術を身に付け、ドルの力を知った。

そんな時代は終わるのだろうか。歴史を知らない、歴史を歪曲(わいきょく)する勢力が韓国を70年前の北東アジアの構図へと逆戻りさせようとしている。左に中国、右には日本、そして北には北朝鮮が存在する北東アジアの「監獄」に韓国は再び捕らえられようとしている。それでいて、必ず「我が民族同士」で南北が互いに被害を与えず、共に繁栄し、平和に暮らそうという。

そうなるならば、別にこれまでの70年を惜しまなくてもよい。問題は韓国が武装解除されたまま、彼らの善意だけを信じて暮らすわけにはいかないことにある。韓国が米国の後光なくして、中国の武力や宗主意識に耐えられるか。日本の再武装をただ眺めていなければならないのか。北朝鮮の「韓国侵食」に耐えられるか。韓国内部の敗北意識を克服できるか。特に米国と世界の資本が引き揚げた韓国経済の没落をどうやって防ぐというのか。
朝鮮日報より

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