東京都江戸川区を歩くと、インド人の家族連れやスパイシーな香りが漂う料理店が多いことに驚く。
同区によると、区内在住のインド人は3758人(今年1月現在)で、全国の自治体で1位という。都内では約3割、日本全体で見ても約1割が同区に集中している計算になる。なぜ同区で多くのインド人が暮らしているのだろう。
「軽くて風通しがいい。まるでインド人になったみたい」。3月25日に同区で開かれた国際交流イベント「えどがわ~るどフェスティバル2018」の会場で、女子高生らが紫やオレンジなど、色とりどりのサリーの試着をしていた。
着付けを担当したのは、同区でインド食材店を営むギートゥさん(26)。「サリーは、インド人女性にとって身近な衣装。江戸川区の女の子に私たちの文化を知ってもらえてうれしい」と笑顔で話した。
このコーナーは、同区のインド人互助会「江戸川インド人会」が設けた。インド舞踊の音楽が流れ、特産の紅茶や伝統楽器「シタール」も展示。同会会長のジャグモハン・チャンドラニさん(65)は「多くの仲間が、地域に溶け込んで暮らしているんです」と笑みを浮かべた。
一族で代々貿易業を営んできたチャンドラニさんは、1978年に単身で来日し、インドから輸入する紅茶の倉庫が置かれていた同区西葛西に住み始めた。都の統計によると、79年の都内居住のインド人は440人だった。ところが2018年には1万1153人に増えた。そのうち3割以上が同区内に暮らし、中でも西葛西地区に集中している。
多くのインド人が来日したきっかけの一つが、コンピューターのプログラムが不具合を起こすとされた「2000年問題」だ。IT分野を得意とするインド人技術者が日本の企業に招かれ、次々に都内にやってきた。
日本とインドの両政府が同年8月に合意した「日印グローバル・パートナーシップ」も後押しした。外務省によると、同国のIT技術者に対する就労ビザの有効期間は、それまでの1年間から3年に拡大された。
それではなぜ、西葛西地区が滞在先に選ばれたのだろうか。チャンドラニさんは「大企業が集まる大手町や日本橋と東京メトロ東西線で直結している。交通が便利だからです」と解説する。
ただ地元の不動産会社は当初、インド人に部屋を貸すことを警戒していたという。すでにインド人の世話役として知られていたチャンドラニさんは交渉に奔走。「ちゃんとした職業を持ち、収入もある。ぜひ部屋を貸してほしい」と頭を下げた。
西葛西駅の北側には北インド料理店、南側には南インド料理店ができ、故郷の食事が食べられる場所も充実してきた。2000年からはインドの伝統の祭り「ディワリ」を再現したイベントも開催されている。
学校も整備された。06年には、保育園児から高校3年生までの教育を行う「グローバル・インディアン・インターナショナルスクール」東京校が開校。当初は50人ほどだった生徒は約650人にまで増えた。授業は全て英語で、近年は約4割が日本人の生徒だという。
ラジェシュワリ・サムバトゥラージャン校長は「最近は日本人の入学希望者が多くて驚い
ている。江戸川から世界で活躍する国際人を育てたい」と話す。
「気がつけば、40年近く西葛西に住み、故郷よりも長い時間を過ごしていた。もともと西葛西は新興地域で、しがらみが少ない土地柄も、異文化を受け入れてくれた背景にあるのではないか」。チャンドラニさんは、そう語る。
お気に入りの場所は荒川の河川敷だ。雄大な流れが、故郷のガンジス川を思い出させるという。infoseek newsより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2018年4月30日月曜日
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