2017年10月8日日曜日

ついに“光を音に変える”新技術がガチ爆誕

光ファイバー網の普及によってデータが光速でやり取りされるようになっても、そのデータを扱うマイクロチップの処理速度が遅くては、せっかくの高速通信も宝の持ち腐れだ。だがつい先日、次世代の超高速コンピュータを実現させるかもしれない新技術が開発された。それはなんと、「光を音に変える」奇妙な技術だという。論文は今月18日にオンラインジャーナル「Nature Communications」に掲載され、話題を呼んでいる。
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画像は「Nature Communications」より引用
■光を音に変える理由とは
 
光を音に変える新技術を発表したのは、オーストラリア・シドニー大学のナノテクノロジー開発拠点(AINST)の研究チームだ。量子力学を応用する光コンピュータは、現在の電子工学を基にしたコンピュータに比べ、超高速でしかも低電力という夢の技術であるが、その実現には多くの課題が存在する。そのうちの一つが、データを担う光子の速さだった。光子はマイクロチップ上を光速で移動するが、現在の技術では速すぎて処理が困難なのだ。研究チームはこの課題をクリアするため、光を音にして速さを遅くするという奇策に打って出たのである。

■開発者「稲妻と雷鳴の違いのようなもの」

この技術ではまず、データに含まれる光のパルスと書き込み用のパルスをチップ上で相互作用させ、音波を発生させる。これによってチップ上にデータが保存され、読み出しなどの処理が可能となる。音に変化したデータは光の状態よりも5桁は遅いスピードになるが、音波になったデータは速すぎず、現在のマイクロチップの処理速度でも十分に取り扱えるスピードになるという。開発者らはこの違いを雷の音と光にたとえている。

音波データは情報処理されたのち、速やかに光の状態に戻される。読み出し用の光のパルスをチップに入力すると、このパルスは音波によってデータを書き込まれ、再び光としてチップから送信される。すなわちデータは再び光速で通信されるのである。

動画による解説。「YouTube」より引用
この技術により、光速データ通信のメリットはさらに大きくなるという。どれだけ通信速度が早かろうと、端末の処理速度が遅くては無意味であることは、現代人ならば誰もが身に染みて理解していることだろう。光コンピュータが実現すれば、情報処理速度は現在の20倍以上に高速化し、しかも過剰に電力を消費したり発熱したりするようなこともなくなる。その恩恵はスーパーコンピュータからスマートフォンまで、あらゆる分野に及ぶだろう。光を音に変えるという不思議な技術が、世界を変える日も近いかもしれない。  
トカナより

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