日銀による国債買い入れと朝日新聞報道
日経報道では、日銀の昨年末の日本国債保有が90兆円を突破し、国債残高に占める日銀保有割合が10%を超えたと報じられています。
日本国債は12年度は149兆7000億円発行されることになっており、これには新規国債44兆円に、返済出来なかった分として100兆円が借り換え国債として発行されており、もはやこれ以上市場で消化することが不可能になっており、事実上、日銀引き受けという形で日銀が買い入れているのです。
結果、リスクが日銀に集まってきていますが、折から朝日新聞一面に三菱UFJ銀行が出した国債暴落シミュレーションが掲載され、一部の専門家は『これが政府によるアドバルーンか』として、日本国債暴落・デフォルトが近いとして対策を急ぎ始めています。
(このような報道があったのちには、必ずと言ってよいほど、黒い目をした海外の年金資金等が日本株を買い入れて株をあげて安心感を植え付けていますが、今回も同じような状況になってきています)
週刊文春では、【三菱東京UFJ銀行の国債暴落シミュレーション】というタイトルで報じていますので、この朝日新聞報道を見られなかった方は是非読まれることをお奨め致します。
国債問題で良く言われることは『10年国債は長く、短期保有に切り替えている』と報じられていますが、では一体誰がこの100兆円もの借り換え10年国債を保有しているのでしょうか?
多くの銀行は「短期物に切り替えている」としきりに述べており、皆が皆短期、短期と言っていますが、そんな事はあり得ない話であり、一体どうなっているのでしょうか?
毎年150兆円近い国債が発行されている中、短期国債発行の比率が上昇してきているのは確かであり、これは短期に資金が集中してきているということであり、非常に危険な事でもあるのです。
償還が自転車操業になりかけているからです。
10年間国債であれば、10年間償還する必要はありませんが、1年償還であれば1年後には全額償還する必要があり、これは財政的に非常にきついのです。
企業でも経営が悪化しているところは、長期借入金が減少し、短期借入金が急増して、そして破たんしますが、国も同じです。
アジア通貨危機やロシア危機も、元をたどれば、長期国債に買いが集まらず、短期資金に依存しすぎたために一気に資金流出が起こり破たんしたものであり、今、日本は同じ道を猛烈な勢いでその方向に進んでいるのです。
また、日本は2708兆円もの金融資産があり、2439兆円の負債があり、差し引き269兆円も資産超過であり、国が破たんするはずがないという議論もありますが、この数字程、おかしな数字はありません。
なぜなら、国民・企業の資産=国のもの、としてカウントしているからです。
日本国は1000兆円余りの借金があり、これは誰も否定出来ない数字です。
国民は1471兆円の金融資産があるという数字がありますが、この数字にはからくりがあります。
年金・保険が入っているいからです。
また、国債保有も入っています。
日本国民が保有する本当の金融資産は現預金でありこれは800兆円となっているのです(日銀統計)。
国民の年金・生命保険を金融資産に加えてよいものかどうか。
『日本人の命も戦争当時のように日本国のもの』というのであれば、もしそのような事を言い出せば、日本を脱出する国民が殺到し、日本の金融資産は激減するはずです。
また、企業も稼いだお金をそのまま現預金で保有する企業は殆んどありません。
投融資に回しているのが殆んどです。
上記の2439兆円の日本の金融資産にはなんと754兆円もの企業金融資産が計上されており、これはあり得ない数字であり、一体どこからこのような数字が出てきたのでしょうか?
上場企業の手持ち資金をすべて足しましても200兆円余りであり、しかも、この200兆円には「両建て」が含まれており(この言葉は今では禁句になっていますが、歴然とあるのも事実です)、実際には金融資産としては100兆円もないかも知れません。
*トヨタを見れば分かりますが、グループとしては10兆円以上の負債と剰余金があり、差し引きマイナスとなり、現預金を見れば愕然とする金額しかありません。
また、日本企業・個人は582兆円も海外投資をしており資産を計上しているとしていますが、果たしてどれだけ額面で残っているでしょうか?
一人一人が数字を精査することも必要だと言えます。
NAVEDAのブログより引用
日本もギリシャどころではなくなってきました。日銀が国債を買い始めたということです。市場で国債が買われないので、日銀が国債を買い支えているということになります。ギリシャでは24時間のゼネストが行われています。緊縮予算に反対する国民がゼネストで政府に抗議行動を起こしています。ギリシャの債務問題も片が付いたという状態ではなく、さらに悪化の一途をたどっているといる状態です。日本もNAVEDAの指摘しているように自転車操業です。こんな財政状態を海外のヘッジファンドは見逃すはずがありません。対岸の火事ではなくなりつつあります。
私も週刊文集を読み自分なりの感想を書きたいと思います。
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2012年2月8日水曜日
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