「救急蘇生のスペシャリストと考えられます。文句のつけようもありません」
京都府舞鶴市で開かれた大相撲の巡業で、土俵で倒れた多々見良三・舞鶴市長に心臓マッサージをしていた女性たちに、「土俵から降りてください」と求めたアナウンスが物議を醸している。朝日新聞デジタルによると、女性は看護師だったという。
日本救急医学会の「ICLSコース」ディレクターで、昭和伊南総合病院麻酔科診療部長の大房幸浩さんは、YouTubeに投稿された、現場の様子を伝える動画に映った土俵上の様子から、中心になった女性がとった初期対応を検証、自身のFacebookで公表した。
ICLSコースは、突然の心停止など、緊急性の高い事態になったときの適切な初動とチーム蘇生の技術を習得するための講習で、大房さんは、ディレクターとして心肺蘇生、1次、2次救命処置を医療関係者に指導している。
以下、動画から確認できる土俵上での大まかな蘇生の流れだ。
関係者が周りを囲んでいるが、適切な救命処置は行われていない様子
13秒 女性Aが土俵に上がる
21秒 女性Aが周りの人をかき分ける
23秒 女性Aが胸骨圧迫(心停止した人の心臓のあたりを両手で圧迫して血液の循環を促す)開始。女性Bが到着
27秒 女性Aが周りに指示
43秒 女性C、Dが土俵に上がる
45秒 AED(自動体外式除細動器)が到着
47秒「女性の方は土俵から降りて下さい」のアナウンス
49秒 女性Aから女性Bに胸骨圧迫交代
56秒 女性Bから救急隊員に胸骨圧迫交代
69秒 救命バッグを持った救急隊員が土俵に上がる
70秒 女性A、Bが土俵から降りる
75秒 担架到着
76秒 胸骨圧迫が中断された様子(AEDの解析中と思われる。AEDは作動させた形跡がなく、その後は心肺蘇生も行っていないため、脈と呼吸が確認されたか、生体反応が現れたと思われる)
82秒 女性CとDが、土俵から降りる
117秒 「救急車呼びました」
145秒 救急隊員が瞳孔を確認している。(この時点では意識がなかったと思われる)
161秒 担架に乗せる
172秒 救命バッグ撤収
186秒 担架で市長を搬送。胸骨圧迫、人工呼吸は行わず
女性たちがあたった蘇生の様子について、大房さんはこう解説する。
「関係者が取り囲みながらも何もできずにいたところ(中心となって蘇生に当たった)女性Aが土俵に上がり、すぐに状況を把握し救命処置を行っています。たぶん、市長の意識はなく、呼吸は確認できなかったか、あっても死戦期呼吸(あえぎ呼吸)だったのではないでしょうか」
「胸骨圧迫のスキル、周りへの指示の的確さから、相当トレーニングを積んだ方であると思われます。胸骨圧迫の早さや強さは完ぺきで、救急蘇生のスペシャリストと考えられます」
「特記すべきは隣の人に時間確認の指示を出している様子がうががえること。確認したのは、心肺蘇生の開始された時間だと思います。救命のポイントは心肺停止から蘇生開始までの時間にかかっています。できるだけ早い方が良いのですが、実際救命処置を行っても記録に残っていなければ、果たして正しい蘇生が行われたか、後日の検証ができません。
このため、蘇生の講習会では記録を残すよう指導しています。時間確認ができるのは相当冷静に対応していたと考えられます」
「AEDが到着し、女性Bに胸骨圧迫が変わりますが、ハンズオンリーCPR(人工呼吸をしない心肺蘇生)ならび胸骨圧迫交代のタイミングも文句のつけようがありません。経過を追ってみると、心臓疾患による急変ではないのがうかがわれますが、初期対応としては完璧です」
朝日新聞デジタルによると、実行委員会が5日、心臓マッサージの中心になった女性に感謝状を贈りたいと連絡したが、「当たり前のことをしただけ。そっとしておいてほしい」と固辞したという。 朝日新聞より
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2018年4月6日金曜日
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