アフリカ大陸を南北に縦断する「グレート・リフト・バレー」と呼ばれる「大地溝帯」周辺で最近、巨大な地割れが発生し、道路が寸断される被害が相次いでいる。地元の地質学者は、「プレートの動きと周辺の火山活動が関係している可能性がある」と指摘している。
大地溝帯は、アフリカとアラビア半島を分ける紅海からエチオピアの高原地帯を南北に走り、タンザニアへ至る総延長7000キロに及ぶ巨大な谷で、地球内部のマントルからのマグマ上昇によって地殻が押し上げられ、キリマンジャロやケニア山などが形成されたと考えられている。
マグマの上昇流は「ホット(マントル)・プルーム」などと呼ばれており、地殻に当たって東西に流れることで、アフリカ大陸を東西にひっぱる力につながっていると考えられている。
ケニアの地元メディア『ザ・スター』によると今月14日、首都ナイロビの高速道路が突然地盤沈下したのに続いて、16日にはリフトバレー州マイ・マヒウ(Maai Mahiu)で地割れが発生して、道路が幅5メートル以上寸断された。
ナイロビで起きた高速道路の地盤沈下については、ケニア西部で降った大雨の影響で、地盤が緩んだのが原因だと考えられていたが、地元の地質学者デヴィッド・アデデ氏は豪雨の影響を否定し、大地溝帯周辺に存在するロンゴノット山(標高2776メートル)やススワ山(2356メートル)などの火山活動が活発化している影響だと指摘している。
ナイロビの北西50〜60キロに位置するこれらの火山は、1世紀以上噴火の記録はないが、過去の爆発でできたカルデラを持っている。また「マイ・マヒウ」はケニア・キクユ族の言葉で「熱湯」を意味する言葉で、高い温度の地熱が観測されているエリアだ。
アデデ氏は「大地溝帯の東に位置するソマリアプレートは、西側のヌビアプレートから年間2.5センチ程度のペースで離れていっている。今回の地割れは、プレートの動きや火山活動の活発化と関係している可能性がある」と指摘し、早急に被害規模と地質学的調査を進める必要性を訴えている。ハザードラボ より
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2018年4月1日日曜日
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