2018年4月7日土曜日

朴前大統領に有罪 民主国家として未成熟だ

韓国のソウル中央地裁は、前大統領の朴槿恵被告に懲役24年、罰金180億ウォン(約18億円)の有罪判決を言い渡した。朴被告が大企業に資金を拠出させたとする職権乱用罪と強要罪について有罪と認定した。
 
韓国では3月、李明博元大統領が収賄や職権乱用などの容疑で逮捕されたばかりだ。

違法行為があれば罪に問われるのは当然だが、やはり相次ぐ大統領経験者の摘発は異様に映る。

前政権の全面否定は、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した日韓合意の反故(ほご)と同じ文脈にあるのではないか。

政権交代すると前政権の全てが否定されるのだとすれば、外交上の約束は意味をなさない。

テレビで生中継された判決公判に、朴被告は出廷しなかった。最後の出廷となった昨年10月の公判で朴被告は「法治の名を借りた政治報復は、私で最後になるよう望む」と述べていた。

逮捕された李容疑者も検察当局の捜査に対し、「政治報復だ」と批判していた。背景には、李容疑者の前の政権を率いた盧武鉉元大統領が不正資金疑惑で検察の聴取を受け、自殺した経緯がある。

韓国ではこれ以前にも大統領退任後の全斗煥、盧泰愚両氏が逮捕されている。

大統領経験者が次々と刑事司法の対象となる根底に「政治報復」があるのだとすれば、国民にとって、あまりに不幸である。

あるいはそれぞれに揺るがぬ不正があったのだとすれば、健全な社会とはほど遠い。いずれにせよ、民主国家として未成熟だと断じざるをえない。

朴被告は、国政への知人の介入を許し、共謀して財閥企業から巨額の賄賂を受け取った疑いをもたれ、国民の怒りを買った。

熱狂的なロウソク・デモなどの大集会が国中を覆い、大統領の座から引きずり降ろし、捜査当局を動かした側面がある。国民感情が優先するさまは「情治主義」とも呼ばれ、これを恐れるあまりの大衆迎合主義が横行するとすれば、政権は不安定極まりない。

4月末には南北首脳会談が開催される。米朝会談を控え、北朝鮮の非核化、拉致問題の解決に向けた正念場である。

重大局面を担う韓国大統領の座が不安定であることに、大きな危惧を覚える。
産経ニュースより

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