慰安婦問題をめぐる日韓合意の精神に反し、2016年12月に釜山の日本総領事館前に設置された慰安婦像のそばに、今度は日本の朝鮮半島統治下で「強制された」という徴用工の像が設置されそうだ。今以上の対日関係悪化を避けたい韓国政府は「設置は望ましくない」と公式に伝えたが、市民団体は「絶対に設置する」と息巻く。設置がまた強行されれば、日韓関係の一層の泥沼化は不可避だ。
■不穏な動き、達成段階に
釜山での徴用工像の設置計画は昨年3月に判明。全国民主労働組合総連盟(民主労総)が今年5月1日の設置を目指していた。
民主労総を中心とする市民団体は慰安婦像の横への徴用工像の設置許可を釜山市に求めていたが、市側は今月3日、許可せず市内の歴史館への設置を促した。
姿勢を変えない市民団体に、今度は韓国外務省が16日に公文書を送付。「像の設置は外交公館の保護と関連した国際礼譲と慣行の側面で適切でなく、外交的な摩擦を呼ぶ可能性が高い」と懸念を伝えた。
同省報道官も19日、文書の内容を公開し、市と同じく「歴史館など適切な場所への設置が望ましい」と明言。設置の動きには「関連法令に従い政府の次元で必要な措置を検討していくことになる」と述べた。それでも、市民団体側は像の設置を強行する構えだ。
■一層の関係悪化はまずい
元徴用工の個人請求権は1965年の日韓請求権協定で消滅し、日韓政府間では解決済みだ。ただ、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は昨年8月、請求権について「個人の権利は残っている」との韓国の司法判断を踏襲する考えを明言。韓国メディアによれば、その8日後に安倍晋三首相との電話会談で「問題は日韓基本条約と日韓会談で解決され、韓国政府も認めた」と前言を覆してもいる。
文氏は日本の公館前に慰安婦像に加え徴用工像を設置することはまずいと考えているようだ。像設置の動きに、今月訪韓した河野太郎外相は康京和(カン・ギョンファ)外相に懸念を伝えた。韓国外務省の公式な立場表明は、それを踏まえたものであろう。
韓国政府は悪化したままの日韓関係に危機感さえ抱いている。筆者の知る限り、韓国政府の関係者はいずれも日本での対韓感情を気にしている。日本を訪れる韓国人が過去最多を更新し続ける一方、韓国にやって来る日本人観光客は激減し、回復の見通しもない。
対日関係の改善策について問われると、「ソウルの日本大使館前と釜山の総領事館前の慰安婦像を撤去すること。それだけです」と答えるようにしている。相手の多くが、こちらの言い分に反論してこない。韓国人の多くは政府をはじめ、日本での対韓感情悪化の理由を分かっているのだ。
■理想の対日関係
文氏に極めて近い韓国政府の人物が昨年、「文大統領が理想とする日本との関係は、金大中(キム・デジュン)元大統領と小渕恵三元首相による韓日パートナーシップ宣言(1998年)当時の関係です」と言っていた。
同宣言から今年でまる20年。先の日韓外相会談や河野外相と文氏との会談でも話題になり、文氏は「意味深い年の今日の会談で、虚心坦懐な意見交換をし、韓日間の未来志向的な関係発展を進めるため、基盤をしっかりと固めたい」と断言した。
「日本は慰安婦問題が『終わった』と言ってはならない」(3月1日の文氏の演説)と断言しつつも、対日関係を何とか改善させたいのだ。ソウルの日本大使館と釜山の総領事館前への慰安婦像放置がウィーン条約に抵触していることも理解しているはずだ。韓国政府当局者も、私的な会話で渋々それを認めていた。
慰安婦像が放置されている上に徴用工像の設置まで許せば、日韓パートナーシップ宣言20年の雰囲気に水を差すどころか、確実にぶち壊しとなる。しかも、日中韓3カ国首脳会談の5月の東京開催が固まっている中、文氏は、訪日直前に対日関係を悪化させることは最も避けたいだろう。
■身から出たサビ?
釜山の慰安婦像は当初、道路法違反を理由にいったんは撤去されたが、世論の猛反発で設置された。今回も市民団体は似たような動きをしている。
ただ、徴用工像が日本の公館前に設置されそうな事態を招いた責任の一端は文氏にもありそうだ。文氏は大統領選挙に立候補する前の昨年1月、釜山の慰安婦像を訪れ像を保護するような発言をし世論を煽った。
徴用工像の設置を目指す市民団体や労組は、大統領選で文氏を支持し文在寅政権を誕生させた左派層でもある。徴用工像の問題は、文氏の“身から出たサビ”でもある。このジレンマを抱えつつも、文在寅政権は「法」を盾に像の設置を阻止する意向のようだ。でなければ日韓パートナーシップ宣言20年どころか、訪れる日本にしめしがつかない。面目丸つぶれとなる。
一方で、「文氏であればこそ、徴用工像設置を計画する市民団体など左派を説得できる」(日韓筋)との観測もある。いずれにせよ、日本の公館前に、日韓合意で解決済みの徴用工の問題を蒸し返す像が設置されることはあってはならないことで、本来、日本が心配すること自体、奇妙な話だ。その当たり前のことをめぐって韓国社会では今も摩擦が続いている。yahooニュースより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2018年4月23日月曜日
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