平成30年も年始早々、“朝鮮半島劇場”は見どころ満載である。元旦、五輪への参加をほのめかした金正恩氏の「新年の辞」に始まり8日の正恩氏の誕生日、9日の南北高官会談へとめまぐるしく続く。高官会談をめぐってはマティス米国防長官が、話題は「北朝鮮の五輪参加問題のみ」と表明した。恐らく韓国に「制裁の足並みを乱すな」と注文したに違いない。
北朝鮮がどんな揺さぶりをかけるか見通せない部分もある。だが、いまの展開はどこかスリリングさに欠けていないか。
それは北朝鮮が新年を契機に、「対南平和攻勢」に転じることが昨年から予想されていたからだろう。事実、韓国・慶南大極東問題研究所は12月14日のリポートで、政権発足70年の節目にあたる北朝鮮が今年、平昌五輪・パラリンピックという“機会要因”を最大限に利用し「電撃的な対話提案などの平和攻勢」を仕掛けると予測している。日本の情報当局もほぼ同様の分析をしていた。
北の動向が今回、比較的容易に読めるのは「北朝鮮が対米政策で手詰まりに陥っているから」(政府関係者)だろう。
米国には脅しもすかしも効果なし。政権発足70年のメモリアルな年に国際社会の制裁効果が徐々に出はじめる。核・ミサイルの開発は絶対に放棄できないが、挑発の度が過ぎれば恐ろしい鉄(てっ)槌(つい)がくる。そこで選択したのが平昌五輪・パラリンピックを人質に韓国を取り込む戦略だ。
現在、局面はおおむね北朝鮮の八方ふさがりでありながら、南北関係では北優位というねじれ状況にあるといえる。
北朝鮮は過去6回の核実験と度重なるミサイル発射で、それなりに「核武力」の自信をつけた。新年の辞でも核・弾道ミサイルについて「完成」したものと位置づけ、量産や実戦配備を目指すことを示唆。一方的に核保有国を宣言することで米国とのパワーバランスが保たれていると主張する。
ただ、米国土への核攻撃能力の開発、配備について大方の専門家は「能力獲得までそれほど時間はないものの未完成」とみている。
海上自衛隊の香田洋二元海将も著書「北朝鮮がアメリカと戦争する日」で、新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」の成功で「かなり完成に近づいた」としつつも、グアムを狙える「火星12」については搭載可能な程度に核の小型化を終えておらず、少なくともあと1回以上、核実験が必要とし「火星14」についても、通常軌道での発射実験の成功が不可欠とみる。
北朝鮮の五輪参加表明で局面はどうなるのか。米国は3月18日のパラリンピック閉幕まで米韓軍事演習を延期する見通しだ。北朝鮮はその分、核の小型化とICBMの完成の時間を稼ぐことができる。日米当局も「核実験も大陸間弾道ミサイルも時期をみて、確実に実験し、完成を急ぐだろう」とみる。
米中協議も既に相当の深度まで進んでいる。日本ではあまり大きく報道されていないが、米国のティラーソン国務長官は昨年12月、米ワシントンでのフォーラムで「(米軍が)軍事境界線を越えなければならなくなったとしても、われわれは38度(軍事境界)線まで戻ることを保証すると中国に表明した」と発言。既に米国は中国に「米軍が北に入っても、その目的は核の除去であって進駐ではない」とまで確約しているのだ。
米国の対北攻撃の可能性にはますます備えなければならない。だが、専門家の間で指摘され始めたさらに最悪のシナリオがある。トランプ政権が内外の情勢調整に疲弊し、アジアへの不干渉にかじを切るかもしれないという懸念だ。そのとき、日本は独力で北の核に対処できるか。備えは十分だろうか。産経ニュースより
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2018年1月7日日曜日
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