米韓同盟の重要性を確認したとはいえ、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への対応で立場の隔たりが埋まったとは言いがたい。
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が訪米し、トランプ大統領と初の首脳会談を開いた。
トランプ大統領は北朝鮮の核問題で「戦略的忍耐」は終わったとし、制裁を強める姿勢を強調。文大統領も「威嚇と挑発に断固として対応する」と応じた。共同声明は北朝鮮の非核化に向け「最大の圧力」をかけると明記した。
ただ、声明は「適切な環境下」で北朝鮮との対話に応じる立場も確認。南北対話に前向きな韓国側の意向も反映した。実際、文大統領は会談後の講演で金正恩(キム・ジョンウン)委員長との「対話も必要」と述べ、南北首脳会談の実現に強い意欲を示している。
革新系の文大統領は来年の平昌冬季五輪で南北合同チームの結成を提案するなど、南北融和への傾斜が目立つ。韓国大統領の任期は1期5年で再選はない。南北首脳会談を是が非でも実現すべく、早々に準備を進める意向なのだろうが、こうした立場は北朝鮮への制裁と圧力を優先しようとする米国の路線と明らかに矛盾する。
文政権は米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の韓国配備をめぐっても、環境影響評価の実施を理由に本格運用を大幅に遅らせようとしている。
トランプ大統領が在韓米軍駐留費の韓国分負担の見直しや米韓自由貿易協定(FTA)の再交渉に言及したのも、北朝鮮政策をめぐる文政権への不信感が一因となっている可能性は否定できない。
米国は対北朝鮮制裁の一環として、中国の銀行を初めて金融制裁の対象とした。北朝鮮と経済的な結びつきの強い中国にも圧力をかけることで、北朝鮮への包囲網を一段と強化する構えだ。
もちろん、北朝鮮との対話は必要だろうが、あくまでも核放棄が前提だ。文政権はまずは核・ミサイル開発を着々と進める北朝鮮の脅威を直視すべきだろう。今は対話より制裁を優先するときだ。
そのためにも国際社会の結束、とくに日米韓の連携は欠かせない。近くドイツで開く20カ国・地域(G20)首脳会議では日米韓首脳会談や安倍晋三首相と文大統領による初の会談が予定される。日米韓の結束を改めて確認するとともに、協調して北朝鮮に強い圧力をかけていく場としたい。 日経新聞より
ぼちぼちと生きているので、焦らず、急がず、迷わず、自分の時計で生きていく、「ぼちぼち、やろか」というタイトルにしました。 記載事項は、個人の出来事や経験、本の感想、個人的に感じたことなど、また、インターネットや新聞等で気になるニュースなどからも引用させていただいています。判断は自己責任でお願いします。
2017年7月2日日曜日
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