最大の特徴は推進方式に固体燃料ロケットブースターとラムジェットエンジンを組み合わせた固体ロケット・ラムジェット統合推進システム(インテグラル・ロケット・ラムジェット、IRR)を採用したことで、これによりマッハ3以上の超音速飛行が可能になり敵の迎撃可能時間を減少させることが出来るようになっている。また、ステルス性を考慮した弾体形状にすることで被探知性を低下させ、アクティブ・レーダー・ホーミング方式とパッシブ・レーダー・ホーミング方式の複合シーカー方式を採用しECCM能力を向上させることで、敵艦艇をより確実に撃破出来るようになっている。さらに敵艦艇の艦対空ミサイルより長射程化させ敵の射程外から誘導弾を発射できるようにすることで、発射母機の安全性が高まっている。
当初は赤外線画像、アクティブレーダー、パッシブレーダーの3方式の併用を予定していたが、赤外線画像誘導に関しては、これを省いても命中率・破壊力は大差ないと見られたことから、開発経費削減のため削除された。これにより開発経費が10%程度削減されたとされる。2002年時点では、XASM-3は旧式化したASM-1のみを置き換えるものとし、誘導方式が異なる(赤外線画像方式を採用する)ASM-2と併用し、対妨害性を確保すると謳って、開発が検討されていたが、2009年時点ではASM-2の後継ともされている。
開発経緯
- 「将来空対艦誘導弾の研究試作」を行い超音速推進装置を試作
- 2002年度(平成14年度)
- 2010年の実用試験を目指し、本開発開始を予定していたが、開発予算が承認されなかったため延期。
- XASM-3の開発を見据え、要素技術の一つである、IRRの小型化等を目的とした「超音速空対艦誘導弾用推進装置の研究・試作」を実施、F-2戦闘機からIRRを搭載した飛翔体の発射試験等を行う。
- 2010年度(平成22年度)
- 防衛予算で本開発である「新空対艦誘導弾(XASM-3)の開発」分の予算23億円が承認され開発を開始。今後総額325億円をかけ開発される予定。
- 2017年度(平成29年度)
- 全長:5.52m
- 全幅: 1.19m
- 直径: 0.35m
- 最大速力:マッハ3以上
- 射程距離:80nm(約150km)以上
- 重量:900kg
- 動力:インテグラル・ロケット・ラムジェット
- 誘導方式:慣性/GPS誘導(中間段階) + アクティブ/パッシブ複合誘導(終末段階)
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