トランプ大統領 新たな対ロ制裁法案に署名へ

アメリカ、ホワイトハウスは、トランプ大統領が議会で可決されたロシアに対して新たな制裁を科す法案に拒否権を行使せず署名することを明らかにし、米ロ関係がさらに悪化することが予想されます。

 

アメリカではロシアがサイバー攻撃によって去年の大統領選挙に干渉したとされる問題などをめぐり、ロシアに対して新たな制裁を科す法案が２７日までに議会の上下両院で可決されました。

これを受けて、ロシアとの関係改善を進めてきたトランプ大統領の対応が焦点となっていましたが、ホワイトハウスのサンダース報道官は２８日声明を発表し「トランプ大統領は法案を承認し、署名するつもりだ」として、大統領が拒否権を行使せず署名することを明らかにしました。

トランプ大統領としては、法案への拒否権を行使しても圧倒的な賛成多数で法案を可決した議会からそれを覆される可能性が高かったため署名を決めたと見られます。

一方、ロシア政府はアメリカ議会での法案の可決を受けて、すでにロシア国内にあるアメリカ大使館の関連施設の使用を差し止めることなどの対抗措置をとると発表し、反発しています。

いわゆるロシア疑惑への追及が続く中、トランプ大統領はロシアに対する圧力の強化を重視する与野党に押し切られた形で、米ロ関係はさらに悪化することが予想されます。また今回の法案には、イランのミサイル開発や北朝鮮の核・ミサイル開発の資金源を断つための制裁も盛り込まれています。　　NHKニュースより